映画『ブリッジ・オブ・スパイ』 | 戦車のブログ

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メガネをかけながら初めて観た映画映『ブリッジ・オブ・スパイ』、とっても面白かった。



スパイ映画だが、スパイ行為そのものを扱ったものではない。


アクションシーンとかもない。


東西冷戦期に起きた逮捕したスパイの話だ。






スティーヴン・スピルバーグ監督、マット・チャーマン及びコーエン兄弟脚本による2015年のアメリカ合衆国の歴史映画である。



主演はトム・ハンクスであり、U-2撃墜事件でソ連の捕虜となったフランシス・ゲーリー・パワーズの解放のために動く弁護士のジェームス・ドノバン(ハンクス)が中心に描かれる。



題名の『ブリッジ・オブ・スパイ』とはスパイ交換が行われたグリーニッケ橋を指す。





冷戦中の1957年、FBIに逮捕されたソ連のスパイルドルフ・アベルの弁護を引き受けた弁護士ジェームズ・ドノバンは様々な嫌がらせを受けながらもルドルフの死刑判決から禁固刑への減刑を成功させる。



その功績により、ドノバンはルドルフと1960年にソ連で撃墜されたU-2偵察機のパイロット、フランシス・ゲーリー・パワーズとのスパイ交換の交渉を任命され、東ベルリンでの危険な交渉を開始する。






この映画を見てまず思ったのは、敵国ソ連の老スパイ「ルドルフ・アベル」が米国へ一切情報を漏らすことなく、米国の協力を断り死刑になることも恐れず当たり前のようにしている姿だ。



トムハンクス扮する弁護士ジェームズ・ドノバンがルドルフ・アベルに聴く「不安じゃないのか?」と、アベルはいつも「それは役立つのか?」聞き返す。


スパイとは非情であり、敵も味方も信じられないイメージがあるが、アベルは決して祖国を裏切らなかった。



そこは例え敵国ソ連でも敬服にあたえする。





しかし、捕虜交換のようにソ連へ引き渡されるのは、普通に考えればソ連の英雄だが、当然ソ連はアベルを公式にスパイとは認めないし、ソ連人とも認めていない。



それは当たり前の話だが、ソ連から見たら情報を漏らしたかも知れない人物としてどんな処遇が待っているか解らない。



米ソのスパイ交換でジェームズ・ドノバンが聴く「不安じゃないのか?」と、「それは役に立つのか?」といつもの通り、ソ連から歓迎されるかされないかは交換されて「抱擁されるか、後部座席に乗せられるかで解るよ」という。





信義というものがあるなら、この時スパイ交換で東ドイツに拘束されていた米国留学生の交換をしないのなら交換はしないというジェームズ・ドノバンの思いにアベルが同調するシーンだ。


感動したね。




トムハンクス扮する弁護士ジェームズ・ドノバンは、スパイの弁護を必ずしもしたとは思っていなかったが、推薦された以上自分の職務を精一杯遂行する。



しかし、裁判は出来レースで判事も最初から有罪にする形式だけの裁判だった。



家族まで襲われる損な役回りの弁護士だが、死刑判決を望む国民の批判に晒されながらも「アメリカのスパイが捕まったら交換の切り札に使える」と説得した。





どんなに下らない命令でも職務遂行するのは軍人ならばやらなければならないものだ。


そういう信念を持つジェームズ・ドノバンをアベルは「タフな男」と呼ぶ。






1960年にソ連で撃墜されたU-2偵察機のパイロット、フランシス・ゲーリー・パワーズは、捕まったら自決しろと教育されていたのに自決しなかったことが批難された。


このパイロットとまスパイ交換だが、この辺のやりとりは凄く面白かった。







映画では描かれていないが、この弁護士ジェームズ・ドノバンは後に1961年4月のキューバのビッグス湾侵攻で捕虜になった1000人以上の人々を解放した。



映画『ブリッジ・オブ・スパイ』お勧めします。