21日、出航するはずだった南アフリカ航空の直前の欠航によりモザンビークを経つことができなかった我々は、もう1日マプトで過ごすことになりました。


そして昼頃ドミトリーに招集され、調整員から

「明日、バスでの陸路でマプトから南アフリカのヨハネスブルクの空港まで向かう。」という予定が告げられました。


前日同様ホテルに宿泊、朝5時にはドミトリーに集合、5時半にはバスが出発という予定でした。


みんなは時間通り集合したけど、ここはやっぱりモザンビーク…

手配したマイクロバス4台のうち、2台が来てない…笑


1時間以上待ってもなかなか来ないから、もう2台で行くしかない!

と調整員が判断して荷物を詰め込もうとした所にようやく残りの2台が到着


最後の最後までモザンスタイルに翻弄されるなんて…


そして朝7時前にようやく出発。


バス4台にJICAの職員と日本大使館の方が乗る車が並走する形でモザンと南アフリカの国境まで向かいました。


そしてモザンでの出国、南アへの入国の手続きはJICAや大使館の御尽力のおかげで行列に並ばず、別の窓口を特別に開けてもらったり、みんなのパスポートを回収してまとめてスタンプを押してくれたりしてスムーズに通ることができました。


ここでJICAの職員や大使館の方たちとお別れして、南アに入国してヨハネスブルクへ向かいました。


ここまで来れば大丈夫だ…と、安心感もあって、バスの中でクイズなどで遊んで過ごしました。


一路ヨハネスブルクへ向かう有料道路を走り、料金所のゲートに差し掛かる所でした…
ゲート前で足止めを食らい、しばらく停車。


警察が我々のバスに向かって何か喚いてる…
「中国人は帰れ!」みたいなことを言ってるのだろう。
「チャイナ」って言ってるのはよく聞こえた笑


中国人ではないし、自分たちは日本へ帰国するためにこの道を通ってるのに
「モザンの国境まで帰れ」
と騒ぎ立て、ゲートを通そうともしない。


一緒に帰国するJICAの職員さんが説明しようとしても聞く耳を持たない。
黒人の警官が何人も我々に向かって叫んでくる。

このままここに留まったら拘束されたり撃ち殺されるかもしれない。

危険な状況だったので、バスを国境方面に走らせながら、同行した職員さんがJICA南アフリカ事務所と連絡を取りつつ助けを待つことに…

時間稼ぎのために低速で走りながら、たまに路肩に停車するけど、すかさずパトカーがサイレンを鳴らして威嚇する。

騒ぎを聞きつけた南ア人が面白がって写真をパシャパシャ撮るし、車でどこまでもついてくる。


最悪の状況でした。


逆戻りしてだいぶ進んで、国境の近くまで来たとき、ようやく南アの日本大使館から警察へ連絡が行き届いたらしく、バスは停車する。

後ろにはパトカーだけでなく、マスコミらしい連中も。

ようやく解放されるのか…と少しばかり安心感もあったけど、しばらく停車した後、再び国境の方向へパトカーに先導されてバスが発進。

もうわけがわからない…


そして国境まで到着。
解放されたはずなのにまだ何かあるのか?
どうやら警察の上層部から下っ端警官への指示がちゃんと行き届いてないらしく、下っ端警官が勝手な行動をとっているらしい。


国境脇の変な事務所まで誘導され、停車。

そこでもずっと待たされ、下っ端警官の言い分では

「ここで検疫受けて問題無ければヨハネスブルクに向かっていい。」

ということらしいが、検疫の準備も何もしておらず、さらに待たされる。

警官が不祥事を隠すための言い訳にしか聞こえない。


警官による差別のせいで夕方頃出航予定だった飛行機に間に合わず、もうこの日も帰国できず…と諦めてたら、朗報が入る。


自分たちが乗る予定だったヨハネスブルク発の飛行機が遅延して、深夜に出航するらしい。


不幸中の幸いとはこのことか


その後も警官の隠蔽工作に付き合わされるのかと待ってたら、JICA南アフリカ事務所の方が助けに来てくれて、無事に解放。


そしてまだヨハネスブルクに向かえば飛行機に間に合うので、そのまま空港へ。


モザンからずっと付き合ってくれてたバスの運転手も流石に疲労が溜まってるし、モザン政府も23日(この日の翌日)には国境を封鎖すると発表して、運転手もモザンに帰れない可能性も出てきたので、途中のネルスプリットという街でJICA南ア事務所が手配したバスに乗り換えて、警察の先導で空港へ向かいました。


途中バスの中で伝えられたのは、

「南アフリカ内で自分たちのことがSNSで拡散されたらしく、空港に向かってることも伝わっているらしい。
暴徒化した南ア人に襲われる可能性があるから、空港内でも最大限の警戒をして行く。」

ということでした。


幸い、空港に着いたのが深夜で、空港内も人がほとんどいなかったので、襲われることもなく、無事に搭乗手続きできました。


朝7時前にマプトを出発して、空港に着いたのが深夜0時過ぎ。
18時間にも及ぶバス移動の末、深夜3時頃に飛行機に乗り込み、危険まみれの南アフリカを脱出しました。


警官の勘違いと差別のせいで自分たちが危険な目に晒されていました。
https://hararelive.com/2020/03/23/south-african-police-escort-4-buses-carrying-japanese-nationals-who-entered-the-country-illegally/

後に南アのネットニュースの記事を見つけたけど、自分たちが悪者のようにしか書いていない。

顔までわかる写真もつけて、事実無根の内容に怒りを覚えました。


これが南アフリカ人のやり方なら、自分は南アフリカという国を軽蔑するし、もう一生この国には行きたくないです。


JICA南ア事務所から警察に対して抗議をしてくれたみたいですが、この件に関して怒りが収まることは無いでしょう。


「コロナをキッカケに世界が協調しましょう」

といった内容の日本のネットニュースの記事を見たけど、こんな目に遭わされたからこそ言えます。

世界が協調することなんて不可能だと思います。

むしろコロナがキッカケで差別意識が更に大きくなったようにも思えます。


散々な目に遭ったものの、JICAモザンビーク、JICA南アフリカ、日本大使館の御尽力のおかげで無事に帰国できました。
心から感謝しています。


エピローグは次回に…笑