今月は何かを取り戻すタイミングなのでしょうか。
どことなくそんな気はします。
移動続きになるのはその足掛けでしょう。
独りで淡々と目的地を回るのも久々です。
それが自己一致した感覚を呼び起こしているのかもしれません。
もちろん顕在意識レベルでそれにどこまでの意味があるかは認識で
ただ潜在意識の奥深くでやるべきことをやっている満足感が生まれ
だからひとまずこれでよしとしている感じです。
やっていることといえば見た目上は神社巡りのようなものです。
それもやっと終盤戦に差し掛かりました。
そのご褒美ともいうのでしょうか。
ふとそんな体験ができたのでした。
これは昨年オープンしたホテルでのことです。
レストランで食事をしました。
振り返れば一人でちゃんとした食事をすることは珍しくなっていま
わざわざそこまでの気分にもならないのです。
ルームサービスで済ませるのが通常です。
とはいえ今回はその選択肢があまりにもオマケ程度でした。
ヴィーガングルテンフリーでは仕方ないことです。
しかしガストロノミーではちゃんと対応してくれるというのです。
このアンバランスは初めてでした。
ともかくそんな流れで体験してみることにしました。
スタッフによる事前案内では創作的な鉄板焼きとのことでした。
正直なところどのようなものか推測つきませんでした。
でも実際は鉄板の上で仕上げをする創作フレンチくらいのイメージ
とはいえ一般的にはなかなか説明しにくいスタイルです。
個人的にはコースの途中で納得がいったのでした。
カウンターなので当然ながらシェフと話すこともできました。
リッツパリで13年働いていたとのことです。
それもあってかスープに寄せたソースが絶妙で素晴らしかったです
野菜料理に合わせて様々な味わいが楽しめました。
インパクトのある感動はないものの繊細に体に染み入る多彩な静寂
味覚的反応を超えた次元のような印象です。
おかげで久々に食に対する感性を刺激されたようでした。
どことなく食べたいものがなくなっていた停滞感から新たな地平が
限界を超えていくというのはこういうことなのだと思ったのでした
谷 孝祐
2021.6.24