知らなかった二人旅 | 3年前のしこうの楽しみ

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今回の旅の最初のドライバーとのことです。
1人旅だけど車を頼んだのは初めてだった気がします。
情報が少ないエリアなのでレンタカーは避けたのでした。

ただこれには当日まで気づいていませんでした。
数日間にわたって一対一になるわけです。
まさに旅の仲間になるわけです。

ふとそれに気づくと最初はどうなることかと思いました。
狭い車内に何時間も一緒で逃げ道もないわけです。
しかし実際は心配無用でした。

これまでで最も相性が良かった運転手かもしれません。
コミュニケーション能力も高く困ったこともありませんでした。
カジュアルで紳士的という感じでしょうか。

かしこまった雰囲気ではないけれど適度な距離感という印象でした。
干渉もなくへりくだることもなく対等でありながら気遣いもあると表現できるでしょうか。
特筆すべき良さがあるわけではありませんが十分な真心はあるというところでしょう。

その狙わない等身大の関わりが好感の持てるものでした。
おそらく仕事に誇りを持っているのでしょう。
また客人を適度にもてなす心持ちなのかもしれません。

日本でいうなら気心知れた学生の尊重し合う関係のような気もしました。
ともかくこういった関わりはなかなかないものです。
そんなわけで少し客観的に観察してみました。

すると縁というものはこうやって生まれていくのかという発見がありました。
お互い口数も多くなくでも思いついたことがあれば話すくらいのフラットさでした。
必然的に会話のない時間は長いものです。

それでも移動を共に空間を共有しているだけで共鳴が起きてくるのです。
きっとゆっくり自然に関係性が生まれるということなのでしょう。
概念的には理解していたものの純粋に体験できたのは初めてでした。

余計な力がかからないとこういう感覚なのかというのが実感されました。
次第に集合意識が形成されていくかのようでもありました。
この心地よさを知覚しない心地よさは良い意味で漂白の時のようでもありました。

そして自然体で人間関係を構築する大切さが身にしみたのでした。
加えて等身大というものについて改めて考え直すきっかけになりそうです。
この受け取りを生かしていこうと思います。

ひとまずこのギフトに感謝します。

谷 孝祐
2018.8.28