気がつけば時代というものは進んでいるものなのでしょうか。
とあるレストランでディナーをした時のことです。
そこは地域の食材を生かしたイタリアンでした。
知りませんでしたがどうやらミシュランの星も取っているようでした。
そのためか平日でも満席に近い様子でした。
いずれにせよ細部までなかなかこだわっている雰囲気でした。
その空間も独特の味わいがありました。
どこかクラシカルな空気感でした。
ということで料理もそのベクトルかと思いました。
しかし意外なことがありました。
メニューを見てみるとかなり対応の幅が広いのです。
もちろん伝統的な定番のようなものはありました。
ところがコースのうちの1つがヴィーガンだったのです。
つまり動物性のものを一切使っていないフルコースです。
これは少し驚きました。
同時に嬉しいことでもありました。
特別対応ではないものとしては初めてお目にかかりました。
なので迷うことなくそれを選びました。
当然ということなのでしょう。
それを注文するのは珍しいことでもなさそうでした。
ワインもお料理に合わせたものが用意されていました。
そうしてアミューズから始まりました。
視覚も味覚も良い具合に刺激される印象でした。
最初からデザートまで通常のコースに遜色ない美味しさだったと推測します。
味や香りは満足感の高いものでした。
個人的にはセンセーショナルな体験でした。
ところが記憶に残るのはそれだけではありません。
周りを見回すと意外な状況でした。
約半分の人が同じコースだったのです。
もしかしたらその筋では有名なのでしょうか。
確認はしていませんがそうなのかもしれません。
どうであれ時流の変化を感じたのでした。
とはいえイタリアンとヴィーガンの親和性は高いように感じたのでした。
谷 孝祐
2018.6.11 3:06