高校1年の秋のことです。
この学年だけでのマラソン大会がありました。
これは毎年恒例のようでした。
何の目的だったのかは知りません。
ただ600人以上が一斉に走るので大掛かりだったことを覚えています。
ちなみに場所は多摩川の土手で距離が10kmでした。
5km地点で折り返してスタート地点に戻ってくるというシンプルなコースです。
ちなみに自分はこの距離を走ったことはありませんでした。
いいところで1.5kmを3本とかくらいです。
なので未知の領域というイメージでした。
当時の主観として長距離は嫌いだったのでこれは逃げたいくらいのものでした。
できることなら休んでしまおうかと思ったわけです。
しかしそうもいかない理由がありました。
吹奏楽部の先輩からなぜだか期待されていたのです。
中学時代には運動部で活躍した人もそれなりにいてそのノリだったのかもしれません。
お昼休みに一緒にバスケをすることも多くその様子から体力があると思われていたのでしょう。
この大会での順位に何も意味はありません。
それなのに何だか頑張らなければならない強制力がかかったのでした。
ということで当日はどんよりした気分でした。
天候もそれに対応するような曇り空だったことを覚えています。
人数が多いのでスタートにも有利不利が出ます。
速い人は前に並べられていたのでしょうか。
いわゆる一般参加のような位置付けの自分は列のちょうど真ん中くらいだった気がします。
そんなわけで走り始めて5分くらいでやっとスタートの先頭の場所に着いたくらいでした。
それだけでもやる気は低下したわけですがこのコースが地獄のようでした。
いくら走っても風景がほとんど変わらないのです。
気が紛れないというか集中せざるを得ない状況でした。
途中何度となく歩こうかとも思いました。
とはいえ周りにそういう人は見当たりませんでした。
だからなのかネガティブなまま坦々と完走できたのでした。
それでも意外なことに順位は55位でした。
体育会で毎日走り込みしている人もいる中だったのでこれはなかなかの結果だったようです。
タイムは正確には覚えていませんが50分ちょっとだったことは覚えています。
ひとまず応援に来ていた先輩は大満足だったようでした。
今思えば良い経験ではありますがもう2度と長距離はしたくないと思ったのでした。
谷 孝祐
2017.5.20 10:09