進路選択における代替案が決まったところでしたがそこからまた問題が出てきました。
部活の顧問の先生に問い合わせてもらうと相当お金がかかることが分かったのです。
私立なので学費が安くないことは当然です。
それだけでなく部活にかかる費用も想像以上だったのです。
実際の負担額は今は曖昧ですが部費だけでもかなりなものでした。
記憶に残っているのは部の予算が年間2000万円くらいとのことでした。
これには驚きました。
確かに高級な楽器が揃っているわけです。
もちろんここに進学するとなれば下宿は必須です。
なのでその分もお金がかかるわけです。
とはいえ気分はもうここしかないという状態でした。
なので当然のことのように親に掛け合いました。
それに対し父親は怒りを露わに無理だという回答でした。
今になればそれも分からなくもありません。
きっと父のインナーチャイルド的な劣等感を刺激したことでしょう。
その世界観が理解できないということもあったはずです。
しかしそれは当時の自分にとって理解できないことでした。
高校に行く目的を明確にするように言った張本人がその答えを受け入れないわけです。
ということでこの辺りで父親への不信感が生まれてしまったのでした。
理想を語っても現実は違うということを突きつけられたわけです。
自分が真剣に考えた結果が無下に扱われた感じがしてしまったのでした。
そのため結局大人は自分の都合なのかとも感じました。
実際に子どもながらに計算しても決して不可能な額ではありませんでした。
ギリギリというところでしょう。
なので兄弟がいなければ可能だったという親の論理も理解できなくはありませんでした。
だからこそなおさらなぜ4人も子どもを授かったのか疑問に思ったりもしました。
得たいものを知覚したが故に苦しんだというところなのかもしれません。
この時点でいい加減に学校を決める気もなれなくなっていました。
そんなわけで全ての道が塞がれたような感覚に陥りました。
まさに絶望というところでしょうか。ここからどうしようか迷宮入りになったのでした。
こんな体験から人生は思い通りに行きにくいことを学んだのでした。
谷 孝祐
2016.12.2 17:40