東京が雪に見舞われました。
11月の降雪は約半世紀ぶりとのことです。
もしかしたらこういった話題が挨拶がわりだったかもしれません。
すでに電飾に飾られた街はホワイトクリスマスさながらだったことでしょう。
そこにとても寒いという会話が伴ったことは容易に想像がつきます。
これにより多くの人にとって季節感が一気に冬になったのかもしれません。
体がついていかず極端に寒さを感じる人もいたことでしょう。
その反応の大きさは2月の雪よりも大きかった気がします。
そして何となく視野が狭くなりやすかったのかもしれません。
足元を見るように下向き加減で歩いている人もいました。
自然と体が縮こまってそうなるのでしょう。
寒いということに必要以上に意識が奪われがちな感じも見受けられました。
しかしそれだと少し勿体無かったのかもしれません。
こんなちょっと風変わりな気候ですがふと見上げれば貴重な光景が広がっていました。
通常の時期で言えば今は紅葉の見ごろなわけです。
ということで色付いた木々と雪という組み合わせを楽しめたのでした。
特に新宿御苑は色鮮やかさと真冬の空気というギャップが分かりやすかった気がします。
このコントラストは北アルプスで経験したことはあったものの都会では初めてです。
出会わないものがなぜか出会ってしまったという印象です。
もしかしたら一生に一度の機会だったかもしれません。
なのでぼんやり楽しむほどの時間がなかったのは残念です。
それでも刻一刻と変わりゆく表情をお昼を食べながら眺めていました。
ある意味において非日常的な景色は刺激になるのでしょうか。
何となく潜在意識が動くような体感覚もありました。
そして自分が多くの人と異なる感覚を持っていることを実感させたのでした。
この状況が寒いという評価は個人的には固定観念的に聞こえてしまうのです。
つまり実感レベルではそう思っていないということです。
もちろん寒くないといったら嘘になりますがそこまででもないという感じなわけです。
それ以上にこの寒さはなぜか自分にとって安心感につながっているようでした。
やっと何かが落ち着くというところなのでしょうか。
少なくとも寒いのは好きなようです。
以前から分かっていたことではありますがこれが腑に落ちたようでした。
これもまた自己一致へのプロセスなのでしょう。
意図せざる良い受け取りになったのでした。
谷 孝祐
2016.11.24 18:36