結局のところ音楽がやりたいと心が固まった高校選択の続きです。
実はここからが難題だったと言えるかもしれません。
方向性は決まったものの志望校を絞りきれませんでした。
ベストな選択が見つからないという様子でした。
とはいえ中学2年の冬にそこまでこれていたのは一般的には速いペースでしょう。
ただその時点で手詰まりとなってしまったのでした。
吹奏楽をやるなら全国大会に出れる学校という前提がありました。
そして音楽科への進学よりも次第にそちらへと傾いていきました。
これは部活への熱の高まりの影響が強かったことでしょう。
一方で吹奏楽は高校までしかやらないという前提も加担していました。
これは明確に認識していたものではありませんが何となくそう決めていた気がします。
本当にやりたいこととのズレ感をキャッチしていたのかもしれません。
だからこそ行くところまで行って終えたいというのがあったのだと思います。
かといって高校生活がそれだけで良いというわけでもありません。
他の道が断たれることにも抵抗がありました。
ということで部活だけでなく学校自体がどうかということも考えました。
こうなると願い通りの条件のところはないものです。
少なくとも自分の生活圏内どころか県内にすらないのでした。
通うことを考えなければ千葉県にある市立高校が第一志望でした。
実際にここしかないという印象でした。
同じようにこの学校を志望したい友人がいたのも手伝ったかもしれません。
気持ちは親元を離れて生活する方へ向かっていきました。
この流れで本当に入学が可能なのかどうか部活の先生が調べてくれることになりました。
前例が全くないわけです。
その結果この学校への進学は困難であることが分かりました。
あくまで市立なので親とともに住民票を移す必要があったのです。
もちろん親には掛け合いましたが協力は得られませんでした。
そして振り出しに戻ってしまった気分になりました。
真剣に考えた結果を実現できない居たたまれない気持ちもあったことでしょう。
まさに現実を突きつけられたという印象でした。
受け入れたくないけど仕方ないフラストレーションを大きく感じたと思います。
それはどこかで人生の諦めにもつながったかもしれません。
そんなわけで本気で夢に生きることを取り下げた出来事だったのでした。
谷 孝祐
2016.11.17 17:09