場というフレームでとらえるのであれば一つ確認しておくべきことがあるでしょう。
それは場という概念がどういうものかということです。
端的に言うのであれば場とは何かという問題です。
そんなわけで考察することにしました。
そもそも場とは物理学の概念だったと思います。
比較的親しみのあるものであれば電磁場が挙げられるでしょう。
これはある電磁力によって影響を受けている空間のことを示すと考えられます。
つまり場は何らかの物理的作用が及ぶ範囲をあらわすと言えるかもしれません。
また視点を変えると、場を設けるという言葉があるように意識によって区別された空間という性質もありそうです。
物理的に壁で分けられているわけではないもののそこを場とすることで場になるという状況です。
しかしこれはそこに集まる人の人間場ととらえることもできるでしょう。
人間が存在することも当然ながら物理作用と考えられるわけです。
脳波や生体波など様々な影響を空間に与えていると推測できます。
これだと結局は物理作用の結果として出現するものということになります。
ただこれは場の一側面のようにも感じます。
違った側面を挙げるなら、場合によっては切り取られた空間ということもできるかもしれません。
通常この視点は建築物が該当するでしょう。
とはいえ建物だけでは場になりえなく、そこを利用する人々がいることで場としての性格を持つ必要があるようにも思います。
こうなると前述の人間場と同じ発想かもしれません。
では、もし人が利用しないとしても何らかの意味づけがあることで場になることもあるのでしょうか。
これもあり得るでしょう。
そこに存在する何かが物理作用を及ぼすのであれば場になりうるわけです。
バーチャルな場など意識が何らかの物理的な影響を与える可能性はありそうです。
しかし疑問があります。
物理作用が起きない場は存在しえないのかということです。
反対からとらえるなら、場があるからこそ物理作用が生まれるとも言えなくはないかということです。
電磁波が及ばない空間では電磁場が生まれないということになりますが、先に電磁波が影響を与えられる空間である電磁場が存在するのではないかということです。
こうなると鶏が先か卵が先かという話になってしまいますが、実際は場と物理作用は強い相互作用を持っているのではないかと推測します。
自分は自分の場に影響を与えつつ、自分の場から影響を与えられ、その総合として個性が表出しているのではないかと思います。
なんだか小難しい話になってしまったかもしれませんが、個人的には整理されたので人間の振る舞いと同等に場というものを意識して相互作用を効果的に得ていこうと思います。
谷 孝祐
2016.5.29 20:09