編集に関わった本がやっと出版までいたったようです。
すでにご存知の方もいるかと思いますが『脳の取扱説明書』の話です。
なんだかんだ予定よりも5が月ほど遅れた形になったのでした。
その理由は内容の難しさなのでしょうか。
脳の専門書よりは読みやすく分かりやすいけれど情報としてのクオリティは落とさないという目論見ですがそれでも簡単ではないのかもしれません。
すでに多少なりとも知見があれば難解ではないでしょう。
ただある程度は記憶しながら読まないと混乱する可能性はあります。
なぜならそもそも脳というものが多様な要素の集合体だからです。
だからこそ面白いわけですがそれは複雑さにもつながるでしょう。
実際に前に出てきた内容がどのくらい記憶に残っているかということを配慮しながらなるべく動線をとらえやすくするように手直しを行ったのでした。
なのでなかなか大変な作業ではありました。
打ち合わせの事前準備である修正点の洗い出しやその方向性をどのようにするのかを考えるだけでもそれなりの時間がかかりました。
少なくとも1回あたり8時間以上はかかっていたと記憶しています。
それに加えて直しもほぼ徹夜でした。
これが2回ありました。
正直なところ自分の本よりも大変だった感じがします。
人の文章を修正するのはそんなものなのでしょうか。
このように考えると『感情の取扱説明書』の編集者は頑張ってくれたように思います。
とはいえこの作業は楽しいものであったことも事実です。
共同作業で良いものを作ろうとすることは自分にとって意義あることなのかもしれません。
そしてこれは日頃はあまりない機会です。
どうしても仕事柄なのか自己完結型になりがちです。
ただ今回の経験でそういう機会も必要なのかもしれないと感じました。
併せて共同プロジェクトだからこそやり甲斐を感じられる人もいるだろうと気づきました。
そうであるならあえて一人でもできることを一緒にやるという選択肢もありでしょう。
その適切なバランスを見極めることは案外重要なのかもしれません。
それはさておき著者の方の努力も並々ならぬものでした。
通常の商業出版の倍以上は労力がかかっているのでもしよければ読んでみてください。
谷 孝祐
2016.5.21 23:57