付き合いで実家の近くの夜の浜辺へと出向きました。
そこは昔はよく行った場所です。
小学生の時にバーベキューや海水浴で行ったり、中学生の下校時に友人とあえて遠回りして行って夕日を見たり、学生時代や塾講師時代には波の音を聞いてリラックスするために夜中に行ったり、と生活の中に定着している場所でした。
しかし、ここ数年は全く行くことがなくなっていました。
到着して気づいたのですが、すごく久々でした。
とはいっても当時の面影も懐かしさもありません。
台風が過ぎ去ったあとの海は、かつて見たこともないくらい荒々しい印象でした。
勝手知ったる穏やかで幻想的な空間とは全く異なる様子です。
かつてはアカウミガメの産卵もおこなわれていた浜ですが、その雰囲気の欠片もありません。
もし雪が降っていたなら、吹雪の日本海というイメージがピッタリのようでした。
豪快な大きな波が押し寄せ、立っていられなくなりそうなくらい風が吹き続けます。
下手したら波にさらわれてしまうかもしれないほどです。
思い返せば、当たり前ですがそういう時には行ったことがありませんでした。
記憶とは全く違うその光景が、今までのイメージを打ち砕きました。
もちろんこれは一年に何度とない状況でしょう。
それは頭ではわかっているものの、無意識的に美化されていた何かが崩れたようでした。
それとともに、その場所が自分の認識しないレベルで好きだったことが知覚できました。
ただ近くて手頃だからよくいっていたわけではなかったようです。
確かに、精神的に疲れた時にリフレッシュさせてくれた場所ではありました。
その適度に弓なりで左右の隆起した台地に挟まれた感覚的には1kmくらいの長さの浜は、夜にいくとどこか守られている感じがありました。
そんな環境が近くにあったことが思ってもいない良い影響を自分に与えていたことが、今さらながら認識できました。
案外自分にとって必要なものを無意識に選択していたことに気づき、そういう発見が過去の自分とのコネクションを取り戻すという体感を得たのでした。
谷孝祐
2014.8.12 19:03