恒例の第九 | 3年前のしこうの楽しみ

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二年続けてクリスマスにベートーヴェンの交響曲第九番を聴きに行きました。
ご存知の方も多いかと思いますが、日本では年の瀬になるとプロ・アマチュア問わず、頻繁にコンサートの行われる名曲です。
個人的にも大好きな曲で、やはり年末にはCDなどではなく、ホールで聴きたいという想いが少なからずあります。

とはいえ、事前に予定をちゃんと空けて行こうというほどではないため、チケットの購入が直前になってしまいます。
結果的に、空席のある公演は少なく、選択肢があまりないため、二年続けて同じ日の同じオーケストラの公演ということになりました。
今までこういったことはなかったので、意外な発見がありました。

それは、何となく聴覚が変わったことをとらえられたことです。
もちろん、演奏が同じオーケストラとはいえ、去年と今年で全く同じ演奏というわけにはいかない、つまり対象も変化しているため、確実とは言えませんが、音のとらえ方が変わったように思います。
簡単に言うと、より明確に鮮明に聞こえるようになったように感じます。

第九といえば、今までの人生で一番多く接したことのある曲で、もしかしたら演奏した回数とCDなども含めて聴いた回数を合わせると1000回を超えているかもしれないと思うのですが、
今回は新たな発見がいくつかありました。
そして、改めてこの曲の偉大さを感じさせられました。

その一方、残念なこともありました。
今まで以上に、音程の悪さやミスに気づいてしまうのです。
正直、去年と比べて非常に残念な演奏の印象を受けました。

管楽器のスター、つまり核となるような団員がお休みで、芯のないぼんやりしてしまった部分が多かったということや、指揮者が少し強引なところも手伝っていたと思いますが、そこに自分の聴覚の変化も手伝って、全体に魅力のない演奏に聞こえてしまい、初めて第九の公演で眠気が出た部分もありました。

おかげで、先日の帰国後にアマチュアオーケストラでも良いから楽器を演奏する機会を作ろうかという考えが薄っすらと浮かんでいたのですが、完膚なきまで破壊されてしまいました。
とは言え、この変化をもって演奏したら、何が変わるのかといった興味はあり、そのような機会が持てればという想いは助長されました。

そんなことを思わせながら、訴えかけようとする感動的な演出の第九は幕を閉じました。

2012.12.26 11:58 谷孝祐