チリのワイン街道をレンタカーでひた走り、ワイナリー併設のホテルに到着しました。
ホテルとしては非常に小さなところで、全部で4つのヴィラしかありません。
なので基本的には定員8名です。
ワイナリー併設なので、入り口の門を入ってから、1km以上はブドウ畑の中を進み、一番奥にありました。
オーナーの趣味でやっているであろう形態は、随所に居心地の良いものが配置され、パブリックスペースのリヴィングのソファーも、 8名が全員集まっても余裕を持って座れる配慮がなされていて、好感が持てました。
フルボードのオールインクルーシヴスタイルで、到着してすぐにランチが提供されました。
一皿ごとに、料理に合わせてこのワイナリーのワインが出されました。
おそらくそこまで高級なものではありませんが、白二種類、赤一種類、その土地でいただくワインは何か通常とは異なる美味しさを感じます。
それは、ブドウが育ったのと同じ空気で呼吸しながらだからなのかもしれません。
昼食からしっかりしすぎていて面食らった感じはありましたが、夜にどんなワインが出てくるのか楽しみになりました。
そして夜に備えてバスタイムと昼寝をしました。
とはいえ遅めの昼食だったため、夕食の時間になってもお腹はすきません。
ハーフポーションでお願いして、挑みました。
アペリティフ(食前酒)にピスコというブドウの蒸留酒のカクテルが出され、ディナーが始まりました。
ワインは昼よりも熟成感のある白と、一番の目玉と思われる赤が供されました。
この赤は目が釘ずけになるような面白さでした。
名前はボロボ。
有名な北欧の車とは全く関係なく、ボルドー、ローヌ、ブルゴーニュの頭をとってつなげたそうです。
厳密には、BO・RHO・BOUとなるのでしょうが、名前はBOROBOでした。
ワイン好きの方はお分かりかもしれませんが、なぜそのような名前なのかというと、ボルドーの主要品種のカベルネソーヴィニヨン、ローヌの主要品種のシラー、ブルゴーニュの主要品種のピノノアールを使ったワインのためです。
それぞれ適した生育環境が異なるので、このようなワインが作られていることは知りませんでした。
味わいはというと、話題性重視かとも思いますが、この上なく面白いともとらえられるような感じでした。
それにしても世の中には面白いことを考える人がいるものだと思いつつ、食べすぎていても食べ続ける修行のような食事を楽しみました。
2012.12.2 11:15 谷孝祐