好きなことで稼ぐ落とし穴 | 3年前のしこうの楽しみ

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今日、友人と話していて発見があったので、シェアします。
それは、好きなことをすることについてです。

一時、好きなことで稼ぐと良いという風潮がありましたが、この言葉をとらえ違えてしまうと、好きなことで稼げない方向にいきかねないという発見です。

なぜ、好きなことをすると稼げるのかというと、自分のエネルギーをロスなく使うことができるためです。
つまり、好きなことをする→エネルギーが十分に注げ、かつ枯渇しない→結果的に高い価値提供ができる →対価としてお金をもらう→好きなことへ投資→より高い価値提供ができるようになる、という好循環を生み出せるためです。

しかし、稼ぐために好きなことをするというとらえ方をしてしまうと、稼ぎやすいように好きなことをすると認識が変化しやすくなり、そうなると好きなことが色あせてきてしまうため、逆のスパイラルへと向かってしまいます。
つまり、稼ぐために好きなことをする→どうやって?→ニーズに合わせる→好きなことが制限される→エネルギーが十分に注げない →十分な価値提供ができない→稼げない→好きなことで稼ぐのは難しいと思う→頑張らなければと努力する →好きなことがつまらないことに変わっていく、というような循環になっていくということです。

だから、充実感や幸福感を感じるために、またはストレスを減らすために、好きなことを仕事にしたとしても、結局、変わらないということも起こりえます。
そして、好きなことは趣味にしておくのが一番だという発想になりやすくなります。

もちろん、それが悪いことではないのですが、重要なのは目的と逆のことをしてしまうと、努力が無駄になってしまうということです。

この発見と同時に、自分が、音楽家の道をやめる選択をした原因を思い出しました。
多くの音楽家が、好きなことをやっているはずなのに苦しんでいるからです。
楽しみながらできるのはごく一部の超一流の人たちだけだという現実を目の当たりにし、自分の道ではないのではないか、と考えたのでした。

もちろん超一流を目指すという選択もあったかもしれませんでしたが、生まれもった才能が十二分にあるわけでもなく、有力なコネがあるわけでもない状況で、年齢という現実もあり、そのような考えに至ったのです。

話は戻りますが、好きなことでビジネスをするには、好循環を生み出す認識が重要ですが、生活費がここに入ってくると、より正しい認識を持ち続けることが難しくなると思います。
また、好きなこととニーズが離れている場合は、それなりのビジネススキルが必要になることでしょう。

案外、好きなことで稼ぐことは大変な側面もあるのかもしれません。
しかし、生きる質が上がることも確かだと思います。

2012.9.12 02:40 谷孝祐