『呪術廻戦』/芥見下々










「愛が世界を救う」というのは綺麗事だろうか。

天才哲学者も高名社会学者も口を揃えて言う、「倫理観の低下を包むものは、汚れた世界を心底認めたあとに生まれる他者への愛だ」と。

それが事実ならば、僕は謝らなければならない。

中学の頃、『愛は勝つ』という曲が大流行した。

そんなバカなと鼻で笑ってた。

むちゃくちゃ歌っていたけど。

自分が生きている世界が、『豪華客船・地球号』だと思っていた。いや、何も考えていなかった。いや、女の子にどうやったらモテるのかだけを考えていた。

もしかしたら、自分が、世界が、日本が、乗ってる船が『泥舟』だと考えたらどうだろう。実は誰もが泥まみれで生きていたら。ただただその汚れの量で競い合ってるとしたら。

うん。

愛は勝つかも知れない。

いや、乙骨憂太的に言えば、「純愛」が。




今日も人生を彩ろう。



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谷口賢志