本当の私を思い出す旅
第四話 あなたは、もう一人ではない
「インナーチャイルドを癒しましょう。」
そんな言葉を耳にすると、
何か特別なことをしなければいけないような気持ちになることがあります。
瞑想をしなければ。
ヒーリングを受けなければ。
過去を思い出さなければ。
もちろん、それらが助けになることもあります。
でも私は思うのです。
本当に大切なのは、もっとシンプルなことなのではないかと。
私たちは、大人になることに夢中になるあまり、
幼い頃の自分を置いてきてしまいました。
泣いていたあの子。
怖がっていたあの子。
誰かに抱きしめてほしかったあの子。
その子は、
どこかへ消えてしまったわけではありません。
今も、あなたの心の中で生きています。
そして、その子がずっと待っていたのは、
誰かではありませんでした。
「大人になったあなた」
だったのです。
子どもの頃は、
誰かに守ってもらうしかありませんでした。
でも今は違います。
あの頃はできなかったことが、
今のあなたにはできます。
「大丈夫だよ。」
そう声をかけてあげること。
「怖かったね。」
そう気持ちを受け止めてあげること。
「もう頑張らなくていいよ。」
そう許してあげること。
それができるのは、
今のあなただけです。
私は時々、自分の心の中にいる幼い私と話をします。
「今日はどうだった?」
「何か嫌なことがあった?」
「まだ怖い?」
そうやって心を向けるだけで、
少し安心したような感覚になることがあります。
きっと、
ずっと話を聞いてほしかったのでしょう。
私たちは、
誰かの話は一生懸命聞くのに、
自分の心の声は、後回しにしてしまいます。
仕事だから。
家族がいるから。
忙しいから。
でも、
一番長い時間を一緒に生きるのは、
他の誰でもなく、自分自身です。
だからこそ、
自分との対話を後回しにしないでほしいのです。
私はヒーラーとして、
たくさんの方と出会ってきました。
エネルギーが整い、
涙を流される方もいます。
その瞬間は、とても美しく、尊い時間です。
でも私は、その時間だけで人生が変わるとは思っていません。
本当に人生を変えていくのは、
セッションが終わった後の毎日です。
朝起きた時。
落ち込んだ時。
失敗した時。
そんな何気ない日常の中で、
「私は今日もあなたの味方だよ。」
そう自分に伝え続けられるかどうか。
そこに、本当の癒しがあるように思います。
もし今日、
また昔の傷が痛んだとしても、
どうか落ち込まないでください。
それは弱さではありません。
あなたの心が、
「ここも抱きしめてほしい。」
と教えてくれているだけです。
だから、
今日も迎えに行ってあげてください。
何度でも。
昨日できなくてもいい。
今日泣いてもいい。
焦らなくてもいい。
その子は、
あなたが来てくれることを知っています。
本当の私を思い出す旅は、
どこか遠くへ行く旅ではありません。
ずっと一人で待っていた、
小さな自分の隣に座る旅です。
そして、そっとこう伝える旅です。
**「もう大丈夫。」
「これからは、私がずっと一緒にいるから。」**
その言葉は、
誰よりもあなた自身が、
ずっと待ち続けていた言葉なのかもしれません。

