ゴルフや野球、書道などで語られるイップス。
それは技術の問題ではなく、マインドが前に出すぎたときに起きるサインです。


イップスを「次の段階への入り口」として捉え、
自分自身(スピリット)につながり直すプロセスを綴ります。

 

イップスという言葉は、
スポーツの世界でよく使われます。

 

ゴルフ、野球、テニス。
あるいは書道では「書痙」と呼ばれ、
弓道にも似た現象を指す言葉があります。

 

長く続けてきたことが、
ある日を境に、急にうまくいかなくなる。
身体が言うことを聞かなくなり、
簡単だったはずの動作が、ぎこちなくなる。

 

それは多くの場合、
技術の不足ではありません。

 

むしろ、
ある程度うまくなった人にこそ起きる現象です。

 

 


■ イップスは「できない人」に起きるわけではない

イップスは、
初心者よりも、経験者に多く現れます。

 

・結果を出したことがある
・再現性を求められる立場にいる
・失敗の怖さを知っている

 

こうした段階に来たとき、
人は無意識のうちに
「うまくやろう」とします。

 

正しく。
安全に。
失敗しないように。

 

その瞬間から、
マインドが前に出始めます。

 

本来は、
身体と感覚に任せて起きていた動きに、
「監視する自分」が割り込んでくる。

 

イップスとは、
このズレが表面化した状態だと感じています。

 


■ マインドが悪いわけではない

誤解しないでほしいのは、
マインドが悪者なわけではない、ということです。

 

マインドは、
私たちを守り、
学び、
成長させてきた大切な機能。

 

けれど、
マインドがすべてを管理しようとし始めたとき、
本来“自然に起きていたもの”が
うまく流れなくなることがあります。

 

考えすぎる。
確認しすぎる。
制御しすぎる。

 

その結果、
身体は固まり、
感覚は分断され、
動きは止まってしまう。

 


■ イップスは「壊れた」のではなく、「知らせている」

ここがいちばん大切なところです。

 

イップスは、
何かが壊れたサインではありません。

 

むしろ、
これまでのやり方では先へ進めない、
という知らせ

 

ゴルフの世界では、
イップスを経験してから
「真のゴルファーになる」と言われることがあります。

 

それは、
技術だけで打つ段階から、
存在全体で打つ段階へ移行するから。

 

同じことが、
人生全体にも起きているように思います。

 


■ 人生イップスという視点

人生にも、イップスはあります。

 

・やることは間違っていないのに進まない
・同じところでつまずき続ける
・考えすぎて動けなくなる

 

多くの人は、
それを「性格」や「能力」の問題だと捉えます。

 

けれど実際には、
マインドが前に出すぎて、
自分自身とのつながりが薄れているだけ、
ということも少なくありません。

 

気づかずに生きている人も多いし、
薄々感じながら目を逸らしている人もいる。

 

イップスが表面化する人は、
むしろ正直です。

 

身体や感覚が、
「もうこのやり方は違う」と
はっきり伝えてきている。

 


■ 回復とは、足すことではなく「戻ること」

イップスを克服する、という言葉があります。

 

でもそれは、
何かを身につけることではありません。

 

技術を増やすことでも、
努力を倍にすることでもない。

 

本来つながっていた自分自身に、
戻ること。

 

考える前に、
感じていた場所。

 

操作する前に、
起きていた動き。

 

そこへ、
もう一度つながり直す。

 

スピリットにつながる、という表現を使うなら、
それは特別な世界の話ではなく、
自分の中心に戻ることなのだと思います。

 


■ イップスは、関所のようなもの

イップスは、
避けたい出来事かもしれません。

 

けれど同時に、
通過しなければ
次の段階へ行けない場所でもあります。

 

この関所を前にして、
無理に押し通ろうとすると、
苦しさは増える。

 

でも立ち止まり、
やり方ではなく
在り方を見直したとき、
道は静かに開いていく。

 


■ おわりに

イップスは、敵ではありません。

 

それは、
人生や表現が
次の段階へ進もうとしているサイン。

 

マインドから、
スピリットへ。

 

コントロールから、
信頼へ。

 

もし今、
うまくいかない感覚の中にいるなら、
それは失敗ではなく、
移行の途中なのかもしれません。

 

焦らず、
自分自身とのつながりを
もう一度、思い出してみてください。

 

そこから、
次のステージは始まっていきます。