いわさきちひろ | ピアソラの蜜柑

ピアソラの蜜柑

オレンジの街での生活

朝晩すっかり涼しくなりました。

夏物を洗濯してアイロンをかけて整理したり、しまってあった毛布を干したり、
そうこうしていると急に普段しない細かいことまで気になりだして
薬箱を整理したり、ジュエリーをぴかぴかに磨いたり、ブーツを磨いたり、
引き出しの中を整理したり、台所の戸棚を拭いたり・・・
とまあ、なんとなく暇なんだか忙しいんだか分からない毎日を過ごしています。

おかげでずいぶんすっきりしたけど。

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話変わり、既に何度か書いていますがうちにはテレビがありません。

そんなわけでジャイ子さんは家にいる時はもっぱらパソコンで映画を観たり、
「おかあさんといっしょ」なんかの歌を聴いたりして楽しんでいます。

映画はジャイ子専用フォルダーの中にデイズニーから宮崎駿まで30種類くらいの映画が
保存されているのですがお気に入りはほんの少しで、
その中でダントツで一位を誇るのは「崖の上のポニョ」です。

もう軽く80回くらい観ました。

少し遠くにいても音楽を聴いただけでどこの場面なのか分かるくらい。

それでも朝起きるとやっぱりポニョが観たいジャイ子さん。

魔女の宅急便やトトロもお気に入りです。
反対にダメなのが戦闘モノ。
音響と映像が怖いらしくすぐさまNGです。

ジャイ子さんはまだ小さいので
やっぱり映像が美しくて小さな子供が出てくるやさしい映画が好きみたいです。

宮崎駿作品は昔、自分自身が子供だった頃観た時には分からなかったことが
今、自分に子供ができて何年かぶりに改めて観ると
それぞれの映画に色々な深いメッセージ含まれていることに気がつきました。

やはり宮崎駿は偉大です。

最近、同じような感じ方をしたのがいわさきちひろの絵。

うちに数冊いわさきちひろの絵本があるのですが、
シンプルであっさりとした装丁の絵本で、中の絵も言葉もいわさきちひろらしい
沢山の派手な絵本の中に紛れていたら目立つことのないひっそりとした絵本なのですが
なぜかジャイ子さんの大のお気に入りです。

たくさんの絵本の中に埋まっていてもすぐにぱっとみつけ出して
「よん!よん!」と持ってきます。

昔も普通に「いいなあ」とは思っていましたが、
今この人の絵を見るとなんだか理由もなく涙が出そうになるくらい「いいなあ」と感じます。

思わず、胸のずっと奥深くから「ふう~」とため息が出るくらい。

月並みな表現ですが
この人は本当に子供の心が分かるんだろうなあ、と思います。

ジャイ子さんの絵本の最後にこんな言葉が載っていました。

「私は私の絵本の中でいまの日本から失われた
 いろいろなやさしさや美しさを描こうと思っています。
 それを子供たちに送るのが私の生きがいです。」

私をこんな感じ方をさせてくれるように変えてくれたジャイ子さんの存在に感謝です。

ミズエ