アルゼンチンが負けてイタリアが勝ちました。
夕方5時からのアルゼンチン戦はプルガで観ることができませんでした。
仕方がないのでラジオを大音響にして聞いていました。
延長戦にPK。きっと長く苦しい試合だったのでしょう。
ああ、みたかった・・・。
一体タンゴ・イ・トゥルコはどうなっていたんだろう?
瞬間湯沸かし器のアルゼンチン人達は暴徒と化していたんじゃないか?
もしくは号泣か発狂か放心か乱心か?
怖くて聞けません・・・。
この二日ばかり家に引きこもって相変わらず豚にちくちく刺青していました。
今はグラデーションの練習をしています。
なんだか気持ち悪い女だと思われそうですが豚肌への刺青は快感です。
豚フェチかもしれません。
昨日はスタジオでサンティ師匠が刺青をしているところを見学しました。
お客様は若い男の子です。
背中一面に天使の羽根の刺青をしています。
男の子は金髪のまるで本物の天使のように美しい男の子です。(ゲイだと思うけど)
女の子のように真っ白いすべすべしたキレイな背中に美しい羽根が彫られてあります。
びっくりするくらい細かく丁寧な仕事です。
さすが我がサンティ師匠です。
一回2時間で16時間ちかくかかったそうです。
私も早く師匠のようになりたいものです。
夕方ぺぺの奥さんのパキ(60歳)と二人で散歩がてら歩いて私の展覧会を観に行ってきました。
道中、夕方6時といえどもまだものすごく暑く、青く広がる空の下パキと私は
わざと砂漠のような場所を通って「砂漠でオアシスを探す旅人の気分」を味わってみたり、
今は廃墟となった昔は貴族のお屋敷だった崩れ落ちそうな建物の中に入って
「インディージョーンズ気分」を味わってみたり、
不気味な無人の荒れ果てたガソリンスタンドを覗いて
「スティーヴン・キングの小説の主人公気分」を味わってみたり。
寄り道の嵐で私達は「なんちゃって冒険家」になりきっていました。
二人で元気良く歩いていると、
太陽でちんちんに焼けた石畳に14,5歳の男の子と女の子がしゃがみこんでいます。
「動物病院に連れて行かなくちゃ!」
とかなんとか二人でひそひそ話しています。
一旦通り過ぎたものの私の後ろを歩いていたパキが
「あっ!ミズエ!捕まえて!」
と小さく叫びます。
道端でうごめく小さな小さな黒い塊は良く見るとなんと生後1週間くらいの雀の赤ちゃんです。
たった今巣から落ちたばかりと思われます。
しかし奇跡的にも五体満足で元気満々です。
しかしほっておいたら10分もしないうちに誰かに踏まれるか、犬に噛まれるかして死んでしまうでしょう。
ぴーぴーと黄色いくちばしで口をぱくぱくさせて何事かを訴えています。
多分ハラペコなのでしょう。
私がすばやく捕まえます。
そしてパキに手渡します。
男の子と女の子はとても心配そうにしていますが、
ペペとパキは、無類の動物好きで小鳥も沢山飼っているのでこんな小鳥の世話なんぞお手のものです。
二人にそう告げ安心させ、パキと私は今度は寄り道をせずに真っ直ぐに家路に向かいました。
「チキ」という名前を付けられた小さな小さな赤ちゃん雀。
九死に一生を得て運良くパキに拾われ、ぺぺ家で生きる運命になりました。
チキの成長がとても楽しみです。
ミズエ
追伸・6月は乗馬に行けなくてちょっとイライラしています。