昨日は夕方サンティの所へ行ってきました。
木曜日からパリに行くのでその分、先週今週はバイトがオーバーワーク気味に入っているし、
15日からの展覧会の打ち合わせだとか、ここのところ忙しいです。
木曜日は夕方4時半発の飛行機ですがギリギリ3時までバイトをしてそのまま空港に走ることになります。
インターネットで買った往復10ユーロの激安チケットなので90分前までには発券しなければいけません。
しかし木曜日ではどう考えても間に合わないので、明日バイトの昼休みに空港へ行って
発券をして、ついでにチェックインも済ませてきてしまおうと思っています。
(チェックインは24時間前からOKだそうです。)
そして夜はそのまま続行でタンゴ・イ・トゥルコにてマエストロのお誕生日会です。
サンティから宿題として渡された分厚い本をまだ読み終えていないのですが
「ちょっとずつでも始めていこう。」
ということになりました。
サンティが実際にお客さんに刺青をしながら色々細かく説明をしてくれます。
刺青といっても皮膚に施すちょっとした手術なので、スタジオも使う器具も全て滅菌され、
白衣にマスクに薄い薄いゴム手袋着用です。
刺青の箇所には強いライトを当てます。
使う針はライン引き用、着色用、ぼかし用、と何種類もあり、これは要するに絵筆と一緒です。
描く場所によって絵筆を使い分けるように針を差し替えて使い分けるのです。
この日のお客さんは若い男の子で首筋に剣の刺青をしてもらっています。
針で下書きのラインをなぞっていっても薄く血が滲むくらいでほとんど出血しません。
サンティ曰く、その人の体質、体の箇所によって出血具合は全然違うそうです。
薄く滲む程度でほとんど出ない人もいれば、結構血が出る人もいるし、
毛細血管の発達している箇所、発達していない箇所、随分違ってくるそうです。
刺青をする前、最低12時間はアルコールは厳禁なのですが、
昔サンティがプロのなりたての頃、ブラジルでベロンベロンに酔っ払って刺青をしてくれと言ってきた
マフィアの男がいたそうです。
初めは断ったのですが、あまりに強引で最後には凄みを利かせてきたので
「どうなっても知らない。私の責任ではない。」
と宣誓書にサインまでさせて刺青を始めたそうです。
すると、針を刺した瞬間にぴゅーーーーっと噴水のように血が吹き出したそうです。
「アレには本当にびっくりしたわよ!酒飲んでるヤツにはもう二度とやりたくないわ。」
と、笑っていました。
針を刺す深さは深すぎず、浅すぎず。
これは経験をつんで、体で覚えていくしかないそうです。
皮膚を柔らかくするクリームを塗りながらまずはライン引きです。
出血箇所はそのつど丁寧に拭き取りながらクリームを塗り、図柄を完成させていきます。
ライン引きが終ったら着色の場所、ぼかしの場所、塗りの場所、すこしずつ丁寧に仕上げます。
非常に根気のいる仕事です。
しかし見ているとやりたくてたまらなくなります。
パリでじっくり集中して宿題の本を読んで、来週は豚の皮で練習を始めます。
「ミズエの練習が終ったら、「刺青入りの豚の皮を焼いて食べようパーティー」しない?
刺青の入った豚の皮なんてそうそう食べれるもんじゃないわよ!美味しいかしら?楽しみねぇ~」
相変わらずサンティの発想は奇抜です。
刺青入りの豚の皮はどんな味がするのでしょうか?
ミズエ