私たちは夢の国にいた。
―――夢の国。誰もが主人公となる国。何もかも忘れさせる国。
確かに、私はディズニーランドが好きだ。
彼女と。仲間と。
年に数回、私は主人公となる。
しかし、「夢の国=ディズニーランド」という常識も、そこでは通用しない。
私とM君は、夢の国の主人公となった。
いや、夢の国の主人となったのだ。
そう、ご主人様に。
この空間に、不幸な人間はいない。
あのエレベーターの扉が開いた瞬間。
突然目の前にお花畑が広がったかのような。
私は心のよりどころを見つけたのだ。
カウンターの横に、同じく主人となる一人の男がいた。
坊主頭のほりの深いその男。カマタテツジ。長野に住むブラジル人。
彼もまたこの国に魅せられた男の一人なのだろう。
不意に思わず出る笑顔に嘘はない。
夢の時間はあっという間に過ぎ、記念撮影の時間が。
M君は恥じらいながらも、「萌え」ポーズをとる。
チェキの中には、私、M君、ミサミサ、そして、テツジ。
お前だれやねん。