あたりまえのことを バカになって ちゃんとやる
』に続き、小宮一慶氏の本。


タイトルから分かる通り、この本も、『あたりまえ~』同様、「生き方」についての同氏の考えを述べたもの。




率直に言って、本書には目新しいことは殆ど書いていない。


田坂先生、斎藤一人さんが著書で述べていることや、もっと言ってしまえば、これまでどこかで聞いたことがあることをまとめただけと言っても過言ではない。




ただ、聞いたことはあるけど、自分の考え方・行動のしかたとして身につけることができていないことでもある。




この本を読めば、すぐに考え方・行動のしかたが変わるというものではないが、「変えてみようか」と背中を押してくれる本である。




○「周りの人を幸せにして、自分も幸せになる。それが鉄則であり、両立は可能だ。自己犠牲では絶対に長続きしない。


⇒「他人の幸せ=自分の不幸せ」ほど短絡的な考え方は持っていないが、他人の幸せの為には、ある程度の自己犠牲が必要だと思っていた。でも、長続きしなければ、結局、他人を幸せにし続けることはできないのは事実。先入観を捨てて、両立する方法を探す姿勢を身につけよう。




○「いやなことも前向きにとらえよう。そこから何かを学ぶことができるし、起こったことは変えられないのだから。


⇒「何で自分がこんな目に?」と不満に思うのではなく、「起こったことは変えられない」と現状を受け入れ、「何かを学んでやろう」と起きたことに積極的に臨む姿勢を身につけたい。




○「頑固な人は、(人の話を)聞く前にはね返してしまう。そうすると人の知恵を活かせないし、人も話してくれなくなる。


⇒自分の考えに固執していないか?周りから「話してもしょうがない」と思われていないか?最近、素直さを失っている気がする。




○「努力しても認められないときがある。そういうときは、自分の努力が足りないと考えること。人が認めてくれるまで、もう少し努力を積み重ねること。一歩下がって、どういう努力が足りないかを考えてみること。


⇒「自分の努力が足りない」と考える謙虚さ、「一歩下がって、どういう努力が足りないかを考えてみる」冷静さ、何れも不足しているんじゃないだろうか。




○「二流のうちは、頼まれた仕事をことわらないことだ。とにかく仕事をやらなければ腕は上がらないし、決して一流にはなれない。


⇒最近、「誰でもできる仕事は断って、自分にしかできない仕事に集中する」ことが正しいという風潮があるけど、僕はこちらの考え方の方が好きだ。少なくとも、僕は自分しかできない仕事に打ち込むような、一流の域には達していない。




○「今日八十ですませたら、明日の実力は下がる。何よりも、相手に失礼だし、自分にも失礼。


⇒ベストを尽くさないということは、一生懸命生きている自分に失礼だよな。




○「関心の源は(中略)責任。責任を責任と感じると、関心を持たずにはいられなくなる。


⇒「責任」を「当事者意識」と言い換えても良いだろう。当事者意識は足りているだろうか?「変に関心を持つと、後々、面倒だから」と言って、見えているものから目を背けていないだろうか?




○「ビジネスの世界は、『弱肉強食』ではなく『優勝劣敗』。誰かが勝てば、誰かが負けるわけではない。みんながそれぞれ勝つことだってある。(中略)だから、誰かを蹴落とす必要はない。競争相手を意識はするが、それよりよくなることを考える。競争相手と切磋琢磨することで、社会はよりよく発展するはず。


⇒他人を意識しながらも、目指すものは自分の成長ということ。




○「理想が描きづらい人は、まず月間目標から入るというのも一つの方法。


 「目標なしに努力しても、それは、いまの自分の周りをうろうろしているだけ。同じ努力をするなら、目標を定めてから努力する。


⇒これまで僕が読んだ本では、目標は、「長期→年間→月間→週間」という流れで立てるものと述べているケースが多かったように思う。でも、正直言って、「長期的な目標」と言われても漠としすぎていて、これまで立てないままだった。だけど、月間目標ならば、見通しも立て易く、できそうな気がする。先ずは、身近なところから始めてみよう。




○「仕事でも能力差はある。ただ、自己ベストは更新できる。自己ベストを更新する努力もできる。


⇒能力差があることを受け入れるのは、何となく、他人に勝てないことを認めてしまっているようで、抵抗感があるけど、でも、「なれる最高の自分」になることは、決して容易ではないし、自分の目的にふさわしいのではないか。