明日 あさって シアサッテ -3ページ目

明日 あさって シアサッテ

焦らない 無理しない 立ち止まらない

Stage2忠類~十勝清水 76.9km 
5時スタート節度時間19:00

 ゴール後にやることは、洗濯、風呂、ストレッチ、食事、ミーティング。
 ミーティングは、節度時間の10~20分後に行われ、当日のCP票の提出、翌日の地図の配布、コースの注意点(間違いやすい所、自販機、コンビニの位置)が呼びかけ人から知らされる。非常に重要で一言一句聞き逃せない。ぼそっと「ここのCPは看板」などと重要な事が語られる。

 ミーティングが終わると洗濯や風呂、食事、荷物の整理などの個人的なことを済ませて、できるだけ早く就寝する。
 どれだけ寝て疲労を回復させるかが勝負だ。1日平均80kmを走るのだから、疲れは溜まる一方だ。
 スタートは5時か4時、100kmの日は3時スタートだ。スタートの1時間以上前に起きて、食事やトイレ、ストレッチ、着替えを済ませ、10分前にスタート地点に集合する。
 毎日が睡眠不足で、疲労が蓄積していく日々だ。

 初日の宿は洗濯をしてくれるのですごく助かった。洗濯ネットに汚れ物を入れてカゴに入れておくと、仕上がったものが乾燥済みのカゴに戻ってくる。
 その間に風呂と食事を済ませられる。ゴールが40分前と早かったのでミーティング前に風呂に入る。風呂を出るとレストランは閉まっていたので、ミーティング後に500m離れたセイコーマートで弁当と朝食を購入して、弁当を部屋で食べ、洗濯ものを引き取り、荷物を整理して布団に入る。

 朝は、3時半に起きてストレッチ、トイレと済ませて朝食のおにぎりを食べる。食欲はないが食べないと走れない。長距離ランナーは丈夫な胃が必要だ。
 10分前にスタート地点に集合、体温測定とスタート表にサインして今日走ることを宣言する。今日は止めようという気には、不思議と一度もならなかった。
 集合写真を撮って、スタートだ。2日目の旅が始まる。


毎朝検温してからスタート


 いつも朝の5kmは歩くようにしていた。体が温まるまでは走らない。車やバイクと一緒でコールドスタートは身体に後々影響が出てくる。私のような弱っちいランナーは細心の注意が必要だ。

 5km過ぎから走りと歩きを繰り返して、20kmほど舗装路を淡々と進む。
 高速道路の下をくぐり、右折すると砂利道に入る。
 ジャーニーランならぬジャーリーランの始まりだ。疲れた足に砂利道の凸凹はつらい。


足の痛みを隠して余裕を見せる


 油断すると石を踏んでねん挫しかねないので、下を見て進む。
 北海道の雄大な景色が広がる砂利道を下を見てとぼとぼ進む。
 襟裳岬から宗谷岬までの間で見たものの7割は道路だと思う。

 前夜のミーティングで分かり難いと説明の有ったCPを見逃してしまい、800mほど戻る。
 大したロストではないが、ガーミンと地図の距離が合わなくなるので、この先頭の中で誤差を考えるのが面倒くさかった。

 幸福駅に着くとランナーが写真撮影したりソフトクリームを食べたりで休憩している。
 ここまで、一人だったのでホッとする。 
 ここはバス停があるらしく、数人がワープするようだ。
 ソフトクリームを食べながら写真撮影して、ワープの誘惑に目もくれずリスタートする。


幸福はあっちだ!


 気温はそれほどでも無いが湿度が高く汗が出る。500mlのペットボトルの水はすぐに空になる。十勝平原を進む道の両側は、畑が広がるばかりで店も自動販売機も無い。
 このままでは、脱水になって走れなくなるかもと考えていると、ボランティアスタッフの車が止まってくれる。
 本当に助かった。もし、このまま水のないまま進み続ければリタイヤ必至だった。
 その後も何度もボランティアスタッフには助けられた。本当に感謝に堪えない。彼らがいなければ、こんなに走ることはできなかった。


ボランティアスタッフに撮ってもらう

余裕のあるふり


 走りと歩きの繰り返しなのでペースが遅く、走り続ける人たちには置いて行かれてしまう。
 ガーミンの平均スピードを見ると時速5.7キロ以上なので慌てることは無い。出来れば最後の5キロは、歩いて進める余裕を持っておきたい。

 ゴールまで残り10㎞のコンビニで前を進んでいた人たちが座って休憩していた。どうやら、もう歩いても間に合う所まで来たようだ。
 少しでも早くゴールして、ゴール後の時間の余裕を持ちたいので残り5キロの最終CPまで走りと歩きを繰り返し、最後の5キロ歩いて、節度時間の20分前にゴールした。


 ゴールしたらまず洗濯と風呂だ。玄関に小さなホワイトボードが立ててあり、部屋割りとミーティングの時間などが書いてある。
 ミーティング前に風呂に入ろうと急いで部屋で準備をして、脱いだものを洗濯ネットに入れて洗濯機は使用中だったので、洗濯機の近くに置く。風呂から上がる前に洗濯機が止まり他の人と一緒に洗濯機に入れてもらえた。乾燥機は壊れていたので部屋干ししてエアコンの除湿で乾かした。

 ミーティング後に近くのコンビニで、夕食と朝食、水と氷を購入。
 部屋でアイシングをしながら夕食を食べる。
 アイシングはとても大切だ。翌日の足の浮腫みや痛みが格段に違ってくる。アイシングをしないで走り続けると、足が浮腫んでシューズに足が入らなくなる。

Stage1えりも岬~忠類 82.1km 

5時スタート節度時間20:00

 

 襟裳岬のスタートは5時。
 その前に行き帰りの服などが入ったザックをゴール後に宿泊するホテルに宅配する手続きが必要だ。
 その時間を勘案して3時半に起床。朝食を食べ着替えて襟裳岬のスタート地点に着いたのは、4時45分頃だったか。。。

 これから、宗谷岬への壮大な旅が始まる。
バイクや車交通機関を使うのではなく、自分の足で550kmを7日間で走破する旅だ。
 旅といえば一人旅が基本な私だが、この距離をこの日数で一人でたどり着く自信はない。

 サポートしてくれるスタッフがいて、一緒に走る仲間がいて、お応援してくれる人がいて、初めてできるかも知れないと思える。

 この旅をとおして、「人は一人ではない でも、前に進み続けるのは自分の力だ」と感じた。
 

 

スタート&ゴールゲートの前で写真撮影

 

 襟裳岬のスタート&ゴールゲートで集合写真を撮影してスタート
 ただ、ワクワクしかない。不思議と笑顔になってくる。

 昨日までの7日間、宗谷岬から襟裳岬までを走り歩いた人たちが見送ってくれる。
 その顔はやり遂げた充足感と旅の終わりの寂寥感が入り混じっている。

 宗谷岬から襟裳岬まで7日間かけてたどり着いたのにこれから宗谷岬まで戻っていく超人たちもいる。口々に「今日はもう進めない」「途中でリタイヤする」と言っているがその足取りは確かで、歴戦の勇者を思わせる。


曇っていて涼しいスタート


 スタート直後、今日スタートの人は前へ前へと出て行く。
 このウキウキドキドキとした気持ちに身体が反応するのだろうか。
 でも、まだ先は果てしなく長い。ここは抑えて足のダメージを最小限に進んでいく。
 「時間の貯金よりも足の貯筋」
 7日間の長丁場だ。今日だけのことを考えて飛ばし、明日から走れなくなってはいけない。
 気がはやるけど、最初はゆっくりと歩く。体が温まるまでは走らない。


 まだ、前方の集団が見えている範囲で、約5kmの最初のチェックポイント(CP)に到着。


まだまだ余裕の表情



 自撮り写真を撮影して呼びかけ人のみそのうさんに送る。

 CPが4~8kmごとに設定されていて、コースを辿っていく手助けになっている。
 B4判の地図に示されたコースを正確にたどり、設定されている節度時間までにゴールにたどり着くのが完走の条件だ。
 さらにCPをすべて正確に呼びかけ人に報告するとパーフェクト完走という称号がもらえる。

 しかし、パーフェクト完走なんて言葉に惑わされてはいけない。これは何度も完走しているベテランランナーのためのもので、初心者が目指すようなものではない。
 CPは分かり難い場所にあるものが有り、それを探すことで時間を取られ時間内にゴールにたどり着けないことになったり、時間内にゴールするために終盤に飛ばして足を使ってしまってはいけない。

 節度時間は、時速5.5km以下になるように設定されている。アップダウンの多いコースや距離の長いコース(100km)では、時速5.2~5.3km台のこともある。
 時速5.5kmはキロ10分55秒だ。えらく遅いようだが、食事やトイレ、休憩の時間も込みで1日平均80km弱を7日間走り続けるとなると、本当にぎりぎりだ。

 スパルタスロンを完走したり、大会で常時表彰されるようなエリートランナーを除けば、立ち止まったり、戻ったりしてCPを探している暇はない。
 見つからなければ、見切って前へ進むほうが良い。3日目にCPを探して5kmロストしてしまい。ゴール5km手前で回収された。もったいないことをしたが、おかげでCPを探す手間をかけなくなって後半はずいぶん楽になった。

 CPはあくまでも完走を助けるためのもの、邪魔するためのものではない。80キロ先のゴールを考えると膝を着きそうになるが、5キロ先のCPへなら進むことはできる。


 最初のCPを過ぎてゆっくりと走り出す。ベテランランナーのChamaさんのブログを参考にガーミンに3分毎アラームが鳴るようにしてある。アラーム音に合わせて、走りと歩きを切り替える。

 走る筋肉と歩く筋肉は違うので、3分ごとに休ませることができる。歩いても精神的にフラットに前へ進める。心が乱れるとペースが崩れ、足に響く。スタートからゴールまで出来る限りフラットな気持ちでいることが大切だ。

 

トンネルだらけの黄金道路

 

 海岸線に出て海を右手に北上する。20キロを過ぎると黄金道路のトンネル地帯だ。歩道が狭く車が近くを通り過ぎるので、怖い思いをしながらなんとか通過する。

 早朝は涼しく走りやすかったが、フンベの滝のあたりでは日が照り付け暑くて参った。
 途中、ボランティアスタッフのエイドがあり水やバナナなどを補給する。キャンピングカーとワンボックスカーで2週間一緒に走ってくれる。水が切れかけて自販機もコンビニもしばらく無いような場所にこつ然と現れるオアシスだ。
 彼らには本当に頭が下がる。あの2台のエイドカーがいなければ半分の距離も走れなかったと思う。

 広尾の街中に入るとコンビニが現れる。セイコーマートで弁当を買い外で腰かけて食べる。初日なので、足の調子も良く時間の余裕がある。

 

美味かった!

 

 15時近くなると日が陰り涼しくなってくる。広尾の街を抜け北海道らしい直線道路を今日のゴール地点の宿ナウマン温泉へ向かう。

 最後から2つ目のCPの近くではお祭りをやっている。お祭りに向かう人にどこまで歩くのか聞かれたので「最終的には宗谷岬です」と答えるとのけぞっていた。

 最後のCPを超えた頃には暗くなる。残り7キロで今日は終わりだ。残りは歩く。
 最後に走るのと歩くのとでは、残るダメージが全然変わるとベテランランナーに教えてもらった。
ひたすら歩くのも疲れるし、時間もかかり嫌になるが、経験豊富なベテランランナーの言葉に従う。

 周りは畑で真っ暗、霧も出てきて前が見えない。時々車が通り過ぎヘッドライトに目がくらむ。
やっと見えてきたナウマン温泉の光にホッとしながら、ゴールに向かう。

 

暗い中のゴール