回復期リハビリ病棟勤務の病院では週4日勤務となり、平日1日は非常勤勤務医として急性期病院へアルバイトに行くことになりました。12月からの非常勤勤務に備えて10月ぐらいから常勤勤務先が今の病院に決まるや否や非常勤勤務先も医師リクルート業者5社に探してもらいましたが、なかなか決まりませんでした。そもそも非常勤脳外科医の募集が少なく、関東地方全域で探しましたがとりあえず研究日(平日の休み)に決まった金曜日に外来を担当できる病院がなかなか見つかりません。結局、12月は見つからず、昨年の7月から隔週木曜日に手術助手と外来担当で行っていた、前に脊髄手術を手伝いに来てくれていた先生が開業した埼玉県北部の有床クリニックに土曜日2回行かせてもらいました。1月は南関東の脳外科専門病院に半日トライアル勤務で行きましたがいろいろやり方が自分に合わないことが多く止めて、4月までの期間限定でちょっと前にお世話になった先輩脳外科医が院長をしている栃木県北部の病院へ月曜日に行くことになりました。

 

 しかし、1月はすでに3回月曜日に非常勤勤務する先生が決まっており私は1回だけのトライアル勤務、2月は月曜祝日が1日あり3回、3月は4回の計8回行くことになりました。後に4月以降も月曜日に来てくれないかと頼まれましたが、4月以降は今度は金曜日に水戸の病院へ行くことが決まっていましたのでお断りしました。1月の1回は大宮まで車で行って大宮駅の屋上駐車場に車を置いて新幹線で行きました。しかし、病院最寄りの駅に停車する東北新幹線は1時間に1本しかなく、結局、車で行っても家を出るのは同じ時間になること、また大宮まで行く首都高の料金と駐車場の料金を2回目以降は病院が払ってくれないことになり、結局2時間以上かかりますが、2回目以降は車で行くことにしました。最近の車は高速道路ではほとんど自動運転のように走れますので本当に楽になりましたし。

 

 そして2回目の2月第一月曜日。関東地方は午後から大雪の予報でした。自分はもともと日本海側の大学1年生の時運転免許を取り、車を買ってもらった最初の冬に1週間車が出せなかった程の大雪を経験しました。北関東の病院に10年勤務しましたし、現在の車も前輪駆動でオールシーズンタイヤを履いています。雪道走行にはある程度自信がありました。この日も朝は普通に東北自動車道を走って2時間ちょっとで病院に付きました。昼前からかなり雪が降ってきて、病院も午後4時半までの勤務予定のところ午後3時半までで帰っていいことになりました。病院の看護師さんが3人、親切に車の雪下ろしを手伝ってくれました。

 スマホの情報で東京近郊の高速道路は昼過ぎからほとんど予防的通行止めになっていました。カーナビを見ると東北自動車道を通らずに国道4号線で帰る経路を示していました。栃木県北部の東北道は通行止めではなかったようですが、結局、すべて一般道で帰り、ところどころ渋滞も発生していて自宅まで7時間かかってしまいました。2011年3月11日の東日本大震災の時も宇都宮より北の病院に勤務しており、東北道が全面通行止めで真っ暗な宇都宮を横目に見ながら10時間かかって都内に帰ってきましたが、思わず同じ国道4号線を通りながらその時を思い出しました。実際は埼玉県の南部までほとんど道路上に雪はない状態でした。

 

次の火曜日は代休で休みでしたので帰りが遅くなったのは特に問題ありませんでした。都内の積雪は結局5cmぐらいで、翌日は小雨の中、自転車でラーメンを食べに行った帰りにパーカーのフードをかぶろうとして転倒してしまいました。結局、首都高が開通するまで48時間もかかりました。除雪に時間がかかったとのことですが、通行止めにしなければ雪は積もらなかったと思います。車が走っている道路に積もるほどの降雪ではありませんでした。

 

この「予防的通行止め」ということでいったい何億円ぐらいの経済損出が生じたのでしょうか。ノーマルタイヤで雪の中、高速道路に乗ってくる無謀な人の事故を防ぐために、より多くの善良な人が迷惑をこうむるのはどうなんでしょうか?南関東で新しい高速道路ができたおかげで既存の高速道路がよりひどく渋滞するようになったという話もよく耳にします。日本の「道路行政」はどうもおかしいと思います。少数の人の利益のためにより多くの人が損をするというのは民主主義に反することであり、世界に冠たる民主主義国家を自認する日本ではあってはならないことだと思います。