今回は昨日の覚書の簡単な解説を行てゆこうと思います。長くすると結局のところ分からなくなるだろうと思い、なるべく短い文章でまとめてゆこうと思います。

 

※アニマ・アニムス

 

アニマ・アニムスについてはこれまでも何度も例にしているように、生物学上の性とは逆の性が心の中では必要となります。男性だから男性性が必要であるならば、男性同士で結婚すればよい話でありまして、結婚の多くは異性同士でのことになるのはこのためであります。

 

ところで、現在はダイバーシティが大きな話題となっております。これにより男性に求められるのはアニマであり、女性に求められるのはアニムスとなります。つまり、ダイバーシティ時代の波に乗るには男性には女性性、女性には男性性が必要となってきます。

 

非常に単純化した話として、男性には美的センス、女性には知的センスがこれまで以上に必要となり、また、これを乗り越えることにより新しい時代の波に乗ることができます。

 

※影

 

これは非常に暗い闇を連想させる言葉でありますが、元型ということは、影を使うと逆に皆からの注目を浴びることが可能となる、実に逆説的な元型であります。

 

影とは、これも重複しますが、主体が歩めなかった人生の部分であります。つまり、概念としても非常に暗いものとなります。ところが、これも使いようで、しかも元型でありますので、暗いまま人々の心をつかんで離さない性質があります。その代表が中川家による大阪の中小企業の社長の会話であります。

 

この影なのですが、影の使い方に限っては関西人が日本で最もうまいのではなかろうかと私は個人的に思っております。関西人は常に「私はできません・・・」といいつつ、実際にはできることが多く、やりたいけどできない、まさに「影」を全面的に出すことにより、実際にできたときの衝撃度を高め、世間を驚かせる方法を日常的に行っております。よって、自分たちが影を使っているという認識はないのですが、心理学者からすると影を意識せずにうまく使うことができていると感じるのであります。

 

例えば、私が地味でロックなどやりそうにない感じで、実はロックをやっており、実際のライブでは激しい音を出しているのですが、これがいわゆる影を使っての演出であります。

 

※ペルソナ

 

ペルソナは見たの問題であります。生物学上の性に見合った格好をするであるとか、制服であるとか肩書でもって自分自身を一目でわかるようにすることであります。

 

しかしながら、それは外見の話でありまして、内面まで同じになることは難しく、それゆえにペルソナ(仮面)という呼び名がついております。

 

男性らしい格好とは何か?というような議論が近年の日本では盛んにおこなわれるようになっておりますが、これはまさにペルソナについての議論となります。ロックミュージシャンだから世間が思うロックミュージシャンの格好をしなければならないというペルソナに縛られるのか、ロックミュージシャンであるがゆえに影を使ってわざと地味なペルソナに自分を縛らせてゆくのか・・・

 

どちらにせよ、ペルソナに縛り付けられていることには間違はなく、よって人生におけるペルソナの存在は常に頭においておかなければならないものと考えております。

 

※太母

 

これについては大いなる母ということで、全てを受け入れるというイメージであります。女性のイメージであり、これに対応するのが老賢者となりましょうか・・・(異論も多いのですが・・・)

 

やはり受け入れるという体制は必要でありまして、どのような意見であっても、先ずは受け入れる人物がいたとします。そのような人物に感じる感覚は、やはり「偉大」ではないでしょうか。まさに神のような感じになり、その人についてゆこう!と思うものであります。

 

これは体育会系のリーダーがうまく使える人が多く、先ずは受け入れ、その後に弱点を見抜き、そこを徹底的に指導するという方法は、この太母を使った指導方法であります。

 

※英雄

 

英雄は特に説明の必要はないかと思いますが、つまり、英雄のことであります。

 

英雄は誰かを助けます。助けるのですが、助ける相手は常に一人であります。ここが大きな特徴であります。複数人を一気に助けることはありません。そして見ている側も、複数人を助けるヒーローものの物語を望むことはありあせん。

 

問題を一つにまとめ上げ、それについての解決をうまくできれば、それは英雄と判定され、その人物の評価は高くなります。

 

プレゼンテーションにおいても同じことでありまして、問題を一つに絞り、その一つの問題をいくつかに分割して説明すると英雄の出来上がりです。しかし、分割の方法については老賢者的な元型の導入が必要となりますので、ここでイノベーション(新しい組み合わせ)が必要となると私は感じております。

 

※子供

 

これは大人になっても子供のような愛嬌のある人物のことであります。大人の子供とは、非常に逆説的なことでありますが、それだけ大人は実のところ、子供のような心を必要としているのではなかろうかと思われます。

 

子供の元型を使うことがうまい人の特徴として、「やんちゃ」な人物であることです。「ちょい悪」という表現がよい意味で解釈されておりますが、この解釈の方法がまさにこの子供の元型イメージとなります。

 

今はほとんどいなくなりましたが、ガキ大将的な存在でありまして、憎むことができない悪という、この微妙な行動にブレークスルー的なものをイメージされるがゆえに、このような人物に意見を求め、前進を試みることも多いかと思います。

 

岡本太郎さんはこのイメージではないかと考えております。

 

※トリックスター

 

トリックスターは場の雰囲気を壊さずしてその場を壊す働きを持つ元型であります。よって、これをできる人物は非常に尊敬され、組織の構成員からの信頼も厚くなり、人気者となるのですが、トリックスターが組織のトップなることはまれであり、よって、トリックスターの元型イメージを意識するときはこの件に注意しなければなりません。

 

音楽でいうところの転調がこれに該当します。曲の雰囲気をより一層よくする効果を持ちながら、実は曲を壊しているという効果と同じであります。

 

いわゆる奇策を立てることが得意な人物がこのトリックスター元型をうまく使っている人物であります。

 

※老賢者

 

これもかなり重複しておりますので、簡単にまとめます。

 

いわゆる知恵者のことでありまして、その切れ味が鋭い人物のことを表現します。また、そのイメージあります。

 

一を聞いて十を知る人物のことでありまして、例えば、夏にナスを食べて秋ナスの味を感じ、その後の天候の変化を予測できるような人物のイメージであります。

 

老賢者くらいになってきますと、自己の領域に非常に接近しておりますので、アニマ・アニムスやペルソナの問題などは誤差の範囲となっております。これゆえ、見た目の問題よりも人間としての中身の問題に接近していることに注目しなければなりません。

 

※自己

 

これについては下記リンクより、私の過去の記事をご覧ください。

 

 

 

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元型そのものの解説は以上となります。あとはご自身で実行し、体得するか方法がありません。皆様方の成功をお祈り申し上げます。

 

その際、すでに述べておりますが、どれか一つの元型を使って行動するのもよいのですが、元型を組み合わせて行動するのもよいかと思っております。

 

例えば、見るからに男性らしい、しかも少し怖い感じすらする男性が、太母の元型イメージを持つとき、逆に大いなる信頼感を持ってもらえるのではないでしょうか。

 

影の問題では、ペルソナとして地味な格好をし、さらに人生についてボヤキながらも実際には裕福な暮らしをしている老賢者がいたとすると面白いのではなかろうかと思うのですが、皆様方はいかがお考えでしょうか?

 

最後に、今回は機械的に話を進めております。しかしながら、実際にはこれらはなれるまでに不快感を覚える可能性は非常に高いので、その点については覚悟のうえで行ってください。冷静に考えていただくとご理解いただけるかと思うのですが、アニマを例に考えますと、男性が仕事とはいえ女装を無理やり行ったときの心理的な負担を想像しますと、相当に大きなものとなるかと考えられます。

 

とはいえ、我が国も個性化が急がれておりますので、興味のある方はご自身がPCやスマートフォンのOSだと思い、アプリに該当する元型を意のままに動かすことができるようにしていただけると、人生がもっと面白くなるのではなかろうかと思われます。

 

今回の参考資料はここで終えます。追加が出てくればまた書こうと思います。

 

ご高覧、ありがとうございました。