昔、伊勢佐木町界隈で見かけたメリーさん。

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メディアからもよく取り上げられていた。

白塗りのドレス着た老婆はやはり怖くて幼い頃は走って逃げていたっけ。(メリーさんゴメンナサイ)

けれど女性の、しかもドレス姿の浮浪者は、子供の目から見てもどこか物悲しく映ったものだった。


そんな彼女を大人になってふと思い出し、なんとなくネットで検索をしたらたくさんメリーさんについての情報をみつけてびっくりした。

それから彼女のドキュメンタリー映画を見て、彼女の哀しくも真っ直ぐな生き様を知りとても切なくなった。


彼女は戦後の横浜で米軍将校を相手にする洋パンだった。

前の日記にも少し書いたが、洋パンさんとは外国人を相手にする娼婦さんの事。
パンパンである事に誇りとプライドを持ち、時代が変わり軍人が街から消え、平成の時代になっても、白いドレスに身を包み白塗りメイクをきめて横浜の街で変わらずに娼婦でいたのだった。

時代は変わっても、メリーさんだけは変わらなかった。

今日はそんなメリーさんの人生を語り継いだ五大路子さんのひとり芝居「横浜ローザ」を観てきた。

実際に生前のメリーさんに直接会って取材された五大さん。

娼婦になったきっかけの話、愛して帰りを待ち続けた将校さんの事、彼女のパンパンとしての生き方。
どこまでが史実かわからないけれど、改めてメリーさんを知ることが出来た。

そして何より白塗りドレス姿で会場内を歩く五大さんの姿は、子供の頃伊勢佐木町で見かけたメリーさんそのままで、思わず「メリーさん!」と呼びかけたくなるほどだった。


ブレずに己の生きる道を貫いたメリーさんの姿は、ある意味やはりカッコいい。

だからこそ、こんなにも横浜の人々に愛されてやまない。


「横浜ローザ」は今年20周年だったそうだ。
メリーさんは伊勢佐木町にはもういないけど、こうして歴史を語り継がれる事で、彼女は生き続けるのだろう。