つれづれに、つねづねをかねがね | たなか久美オフィシャルブログ【ローカライズ声優の日常】Powered by Ameba

つれづれに、つねづねをかねがね

かねがね思っていたのですが、

数年前から言われはじめた、

ゾーンに入ってる状態とは何ぞや。と。

上手く言葉にするのが難しい感覚って多いですよね。


学生の頃は、試験の時とかで、

たまーにありました。

教室に居る感覚が消えて、頭の中に入ってただ問題を解いてる感覚のみになる。


で、

私が、過去一番ゾーンに入った!と思ったのは、

ゲーム「ライフイズストレンジ」の収録で、

セリフの物量がかなりあって、

何日かに分けて収録したのですが、、、

ある日の収録で、ミキサーさんとのタイミング(ローカライズなので英語の原音聴いて、原音に合わせてセリフを言う、というのを繰り返していく)のリズムが完璧に合って、

すごく心地よくて、

尺もピッタリでノーミスで、演じるマックスの原音とシンクロしていった時。

カットされて止まるまで、

なんなら、章が変わるとか、エンディングまで、

疲れも感じず、ずっと続けられるような感覚。


スタジオに居る、という感覚が消えて、

ただ目の前にある台本に入り込んで、

自分の声と、マックスの音源だけの世界になった感覚。


これ、休憩になってブースから出たら、

演出の人に、

久美さん途中ゾーン入ってましたね、って人から見てもわかる位だったほど。


変な感覚だし、自分のもってる物を全てを使いこなせた感覚。


無駄なことを何一つ考えないで、没入してる状態。



先日、映画「ソウルフルワールド」を観て思たら、

ゾーンに入ってる人は、

体は「ここ」は居るのだけど「意識は別の所」にある、

ような感じということを巧く(?)、映像化していた。




でね、何が言いたかったかというと、

Netflixで藤井風さんのコンサートを見たら、


この人、常にゾーン入ってる?!

って見えたのです。

曲によってとか、たまに入るならば分かるけど、登場から最後まですっとゾーンに入ったままパフォーマンスしているように見えました。



多くのコンサートって、

パフォーマンスする人は、客席に意識があって、

その日の客席との空気をお互いに感じてるような印象。

舞台に立って、見られてる意識がある。のが普通。


でも、藤井風さんのパフォーマンスは、

藤井さんがゾーンに入ってて、そのゾーンそのものを会場全体にフィールド展開して、

その空間に引き込まれた客席が、藤井さんそのものの音楽に陶酔してるように見えたました。

不思議なコンサートだなぁって、思った。

すごい人ですね。


前にブルースのライブを見にいった事があるのですが、ブルース演奏者の感覚に近いかも。

ブルースって、何か、

演奏してる自分たちを見せようとしてるのでなく、楽器から解き放たれた音楽を可視化できそうなくらい、音を魅せる印象ですよね。上手く言えないけど。


でも、

無駄な事を考えないで、

全てのスキルを注ぎ込んでいる状態でパフォーマンスするって、本当に難しい。


その難しい事を必要な時に、さらっとできてしまう人(日頃の練習はあれど)は、

その才能を支えてくれる人も現われるだろうし、

多くの人を魅了していくのだろうなぁと思いました。

藤井風さんが、ギフテッドどころか、

まるで神みたいに見えて爆笑


なんか、つれづれと、

書かずにはいられなくなって、

ブログにしてしまいました。



たなか久美