1939年11月8日に、一介の家具職人のゲオルグが、単独でヒトラーの暗殺を試みるが失敗した、実際の事件を映画化した作品です。
この映画を観て、ジョージ・オーウェルの「1984」をすぐ思い出してしまいました。
物語は、ナチスに捕らわれたゲオルグが、悍ましい拷問を受けるシーンと共に、ドイツ国家が如何にして、ナチス党の独裁政権に変わって行くのかという過程を、ゲオルグの人生とともに1933年まで遡って描かれています。。
ナチスの独裁前の回想シーンでは、美しい景色が広がる映像の中、ゲオルグたちはとても楽しそうでした。
それが一転、言論弾圧、軍事国家、独裁政権となり、どれだけ人々を絶望の淵に追い込んだというのがよく分かります。
確かこの作品は、日本国内ではミニシアターでしか上映されず、しかも1W位しか上映期間がなかったと思います。
劇場で観たかったのですが、スケジュールが合わず、DVDを購入して観る事が叶いました。
本作は、ドイツ人から見た大戦時の視点ですが、ユダヤ人の視点から観た「シンドラーのリスト」と、同様に、ナチスに反旗を抱いている者はドイツ国民にもたくさんいたという事ですね。
観終わったあと、重い気持ちになる作品ですが、国家がこんな風になったらヤダなぁ~という気持ちを起させ、我々に戒めを与えてくれる作品です。