培養室スタッフがまとめてくれたデータの中に、興味深い報告がありました。
不妊治療患者さんと喫煙率の関係です。
調査は、昨年2023年8月の1か月。
この1か月に初診患者数は447人でした。このうち、不妊治療希望で受診されていたのは96人(21.4%)でした。メディカルパークでは、妊娠希望の方には、初診時に必ず喫煙の有無を確認して、それをデータベースに残すようにしています。それによると、96人のうち、ご夫妻いずれかが喫煙しているケースは36人(38%)でした。詳しく内訳を見ると、男性が30人(31%)、女性が20人(21%)、ご夫婦ともに喫煙している場合が14人(16%)でした。
これが高いのか、それとも低いのか、調べるために、全国の喫煙率を調べてみました。
下のグラフは、ネットから引用した、2022年の日本人の年齢階層別の喫煙率を示したものです。
不妊治療をしている方は、20歳から39歳の階層に入る事が多いと思われます。この階層では、喫煙率は男性では19~32%、女性では4.8~9.6%しかありません。
数字を比べてみれば、不妊治療を希望しているカップルの方の喫煙率が、日本人の平均喫煙率よりも明らかに高いことが、非常に明確に分かると思います。特に女性では、平均よりも2倍以上の喫煙率となっています。
そして、この事実から、「男性側でも女性側でも、喫煙歴があると、妊娠しずらくなって、将来不妊クリニックを受診する可能性が高くなる」、という推論が成立します。
やはり、喫煙と不妊は無関係ではないのです。
タバコをお吸いになりながらも、これから妊娠を考えている皆様、どうぞ、こうした事実を真剣に受け止めて、健康管理にお気をつけください。