診療後に新薬の勉強会が開催されました。
「ゾコーバ」錠。
ゾコーバ(一般名称「エンシトレルビル」)錠は、新型コロナウイルス感染症の治療薬です。
現在、新型コロナウイルスに対する薬剤は数種類が承認されていますが、ゾコーバは唯一の純国産の薬剤です。
ゾコーバはコロナウイルス内の3CLプロテアーゼという酵素の働きを阻害することによって、コロナウイルスが産生するたんぱく質の生成過程を阻害します。
実は、私の妻が先月コロナに感染した時に、コロナ治療薬を服用させました。初日は、ただ、解熱剤を飲ませるしか無かろうと思っていたのですが、2日目の朝、余りに辛そうだったので、見るに見かねて自分で処方して、近くのスギ薬局に取りに行きました。ゾコーバでは非常に高価な薬らしいですが、今は公費負担となっているので、私も薬局の窓口支払ったのは260円だけでした。
正直、効果は半信半疑でした。朝服用した後は、逆に嘔気が強くなって、身の置き所が無い感じが続いたそうです。しかし、2回目を内服した後から、どんどん容態が良くなったのです。そして、良く朝には、咳や咽頭痛などは残っていたものの、完全に解熱しました。近くで見ていて、明らかに薬が著効した感じがありました。とても驚きました。妻自身も、「ゾコーバの2回目を飲んだ辺りからウイルスがいなくなっていく感じがした」と言います。そして、「もし、ゾコーバ飲んでいなかくても、最終的には治ったと思うけど、薬のお陰で1日位早く回復した感じがする」と、しきりに言っていました。
下の写真を見てください。ゾコーバ投与群と、非投与群で比べると、投与群は丁度丸1日程度回復が早くなった、というデータです。これを見て、ちょっと鳥肌ものでした。妻が言っている事とまるっきり一緒だったからです。
私はこれが本当に不思議でなりません。テレビでも、あれほどコロナコロナと騒いでいたのに、治療薬の事は全く取り上げられなくなっています。何でなんだろう?ゾコーバ以外にも海外の製品ですが、「ラゲブリオ」という薬も流通しています。もっと取り上げれば、社会の混乱は防げるはずなのに。本当に不思議。