子宮卵管造影検査についてのお知らせ | 生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

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神奈川県藤沢市の不妊治療・産婦人科「メディカルパーク湘南」の院長、田中雄大のブログです。
体外受精や内視鏡手術のことから雑感まで、日々の記録を綴っております。

子宮卵管造影の際に使用するヨード造影剤には水溶性・油性の2種類があります。当院ではこれまで水溶性の造影剤を使用しておりましたが、3月1日より、油性造影剤を採用することになりました。最も大きな理由は、造影剤検査後の妊娠率です。卵管造影検査後に、自然妊娠率が高まることは良く知られておりますが、近年、水性よりも油性の方が向上効果が高いことが報告されています。油性造影剤は、水をはじいた油滴のように視認出来るので、造影剤が卵管から出て腹腔内に落ちる瞬間が分かるなど、診断精度も高くなります。しかし、一方で、油性造影剤にはデメリットもあります。油性造影剤を使う場合は、「後撮影」と言って、造影検査後、24時間以降にもう一度腹部のレントゲン検査を行う必要があります。後撮影は卵管周囲の癒着の有無を確認するために非常に大事な検査ですが、どうしても来院出来ない場合にはお申し出下さい。当日中の検査で代用することも可能です。

卵管造影検査は、YouTube勉強会でも取り上げています。是非ご覧下さい。