折に触れて、業者さんや、メディアから、不妊治療中の患者さんからの「お悩み相談室」的な相談を受けます。そうした相談コーナーをもう20年近くやっていますが、何年経っても患者さんのお悩みは大体同じようなパターンが多いのも事実です。いつの時代も不妊の悩みは一緒なのです。
以前から、自分の中で温めていた構想があります。
「不妊治療のセカンドオピニオン外来を開きたい」
その構想が実現します。11月1日に開院するメディカルパークベイフロント横浜に、不妊治療セカンドオピニオン外来を開設することになりました。体外受精へのステップアップのタイミング、子宮筋腫の治療方針、子宮内膜症をどうするか、着床障害の原因検索、等々、なんでも構いません。今行っている不妊治療の方針について、セカンドオピニオンをご希望される方だけを対象とした専門の予約外来を設けます。本院だと、私自身が治療の当事者なので、セカンドオピニオンにはなり得ない。普段自分が治療を行っている現場から離れて、全く別の場所でなければ、完全にニュートラルな立場で客観的な物差しで意見を差し上げることが出来ない。だから、今度のベイフロントの開院は絶好のチャンスだと思ったのです。
費用は自費で1回2万円となります。すべて完全予約制で、1日数件の枠を設置します。予約はホームページからお取りください。10月21日から予約受け付けを開始します。受診時には、出来ればご夫婦二人で来院されることをお勧めします。診察の前に、看護師が詳細な問診を取りますが、これまでの不妊治療の経緯、セカンドオピニオンの内容などあらかじめ予約フォームに入力しておいて頂けると診療が円滑に進みます。初めての試みですので、多少試行錯誤のところはあります。最初のうちは不手際もあるかも知れませんが、どうかご了承ください。
不妊治療を学び、不妊治療の業界で育てて頂き、その不妊治療を生業とし、病院まで建て、そして、それを家族の生活の糧としてここまで来ました。聖人君子ぶるわけではありませんが、この業界に微力でも私なりの恩返しをしたいと思います。良く、プロ野球選手が引退会見の時に、「これからは自分なりに野球に恩返しをしたい」と話しているのを聞きますが、丁度、同じ心境かも知れません。
あ、私自身は、まだまだ、現役引退するつもりは更々ありませんから、御心配なく。