第四回のYouTube説明会、ご覧頂けましたでしょうか?
今回は、北山玲子先生が多嚢胞性卵巣症候群について解説してくれました。
見逃してしまった方は上記URLから視聴できるはずです。
我々の業界では多嚢胞性卵巣症候群を「PCO」と略して呼びます。
若年女性の5%程度が罹患すると言われています。月経不順を心配して来院される若い女性のうち、半数以上がこのPCOが原因です。
月経不順で産婦人科を受診して、その時にお医者さんに
「多嚢胞性卵巣かも知れませんね」
と言われたという経験を持つ方も多いのでは無いでしょうか?
PCOをネットで検索してみると、必ず、「不妊」と「肥満」というキーワードが出てきます。
そのため、「多嚢胞性卵巣症候群かも知れない」と言われた女性は、
「将来、自分は不妊になるのでは?」
「明日、目覚めたら、起きたらマツコ・デラックスみたいな体形になっていたらどうしよう」
などと悩むようになります。
私の知人でも、大学生の頃に多嚢胞性卵巣症候群(PCO)と診断され、「不妊症だったらどうしょう」という不安を何年も抱え込んだまま、誰にも相談できずに、お付き合いしていた男性との結婚に踏み切れずにいた、という方がいます。
しかし、多嚢胞性卵巣症候群が不妊になるというネットの情報は間違いです。
真逆なのです。多嚢胞性卵巣症候群の方は卵巣の機能が非常に良いので、排卵誘発剤などに極めて反応が良好なため、適切な治療さえしてあげれば、却って妊娠しやすいのです。
また、肥満になるというのも、全員に当てはまる訳ではありません。日本人のPCOでは、やせ型の方が多い事も良く知られています。だから、そういう方がダイエットなどの励まれてしまうと、拒食症と近い状態になったりして、その結果排卵障害を招いたりするのです。
私は、外来で、いつもPCOの患者さんには、「これは病気ではなく、自分のキャラクターだと思ってください。」と話すようにしています。キャラクターと見なせれば、否定するより、肯定して前向きになって貰えるのではと思います。
因みに、上述の私の知人も、こうしたことを諭した後、結婚され、今は一児のお母さんです。