こんにちは、心理セラピストの棚田克彦です。
先日、比較的長きにわたってビリーフチェンジを勉強して下さっている生徒さんたち数人のグループとお話をしていて、「エッ」と思うことがあったのでシェアしようと思います。
その際、「自己重要感のビリーフ」についてのお話になりました。
「自己重要感のビリーフ」について詳しく知りたい方はリンク先のページをご覧ください:
http://pro-therapist.or.jp/seminar-list/beliefchange2/
一般的に、「自己重要感のビリーフ」は、
《~だから、私には価値がない(もし~でなければ、私は重要ではない)》
という形をとります。
たとえば、
《人より仕事ができないから、私は重要ではない(価値がない)》
《正社員じゃないから、私は重要ではない(価値がない)》
《肩書き(資格)がないから、私は重要ではない(価値がない)》
《学歴がないから、私は重要ではない(価値がない)》
《お金持ちじゃないから(貧乏だから)、私は重要ではない(価値がない)》
《イケメン(美人)じゃないから、私は重要ではない(価値がない)》
《結婚していないから、私は重要ではない(価値がない)》
《女(男)だから、私は重要ではない(価値がない)》
といった具合です。
それぞれのビリーフに対して、本人なりの「私には価値がない」と信じる理由が存在します。
そして、「ありのままの自分には価値がない」と無意識に強く信じ込んでいるので、何かを所有したり、何かをできるようになることで、「人から特別な人だと思われたい」「スゴイ人だと言われたい」「人から認められたい」といった承認欲求が強く現れます。
具体的な悩みや問題の症状としては、
・ 自分に自信がない
・ 人前で緊張する
・ 劣等感が強い
・ 他人の目を気にする
・ 自分を粗末に扱ってしまう
・ リーダーになることに抵抗がある
・ 始める前からできない気がする
・ 自分の弱さや欠点を受け入れられない
・ 自分を良く見せようとする
・ 他人に勝つことで自分を価値付けする
・ 人に負けると絶望する
・ 自分を大きく見せようとする
・ プライドが高い
・ 地位や名誉にこだわる
・ 家柄や育ちに縛られる
・ 他人を悪く言う
・ 人から褒められると居心地が悪い
・ 素直に謝れない
・ 素直に感謝できない
といったものが代表的です。
話を元に戻すと、生徒さんたちとお話ししていて「エッ」と思うことがあったのは、多くの生徒さんたちが(、決して全員ではないですが)、
「自分に自信がない」 → じゃあ、「自己重要感のビリーフ」のセラピーを受けましょう
「人前で緊張する」 → じゃあ、「自己重要感のビリーフ」のセラピーを受けましょう
「劣等感が強い」 → じゃあ、「自己重要感のビリーフ」のセラピーを受けましょう
・・・・・のように、様々な悩みや問題の症状と、その原因となるビリーフとの因果関係について、また、セラピーを行う意図について、あまりよく理解していなかったり、非常に機械的な(表面的な)理解にとどまっている、といったことです。
まあ、私がちゃんと説明できていなかったこと原因なのですが(汗々)
なので、他にも理解していない人がいると心配なので、これから説明します。
そもそも、《~だから、私には価値がない(もし~でなければ、私は重要ではない)》という「自己重要感」のビリーフは、どのようにして作られたものなのか?
世の中には、子育ての際に、自分の子どもに対して過度な期待を掛けたり、次から次へと過剰な要求を押し付ける親がいます。
「もっと、もっと、できるでしょ!」
「まだ、まだ頑張れるでしょ!」
「隣の●●ちゃんは運動会でリレーの選手に選ばれたらしいよ。あなたは?」
「あなたには一流大学に行って欲しい」
「お父さんの夢を代わりに実現して欲しい」
「何でこんなこともできないの!」
「本当に何回言ったらわかるの?」
「お前は何をやらせてもダメな奴だな」
・・・・・等々。
ここまでひどくはないとしても、多くの親が自分の子どもに対して、期待や要求を持つことは普通にあることですし、そうすること自体、必ずしも悪いことではありません。
問題は、その先です。
自分の親から過度な期待や過剰な要求を向けられた子どもは、そうした親の期待や要求に対して、どのように対応するのか、しないのか?
例えば、
(1)親の期待や要求に対して逃げることなく真正面から向き合い、全ての期待や要求に応えるべく際限のない努力を続けて「良い子」を目指す。なぜならば、「親の全ての期待や要求に応えられる良い子になれば、お父さん、お母さんは私(僕)を愛してくれるだろう」と信じているから。
(2)親から愛されることを諦めて、親との関わりを避けて「孤児」になることで、親の期待や要求から逃げる。なぜならば、「私(僕)はお父さん、お母さんの理想の子どもにはなれない」と信じているから。
(3)親からの過度な期待や過剰な要求をあえて真正面で受け止め、親からのプレッシャーで潰されることで「可哀そうな子」になる。なぜならば、「私(僕)が両親からのプレッシャーで潰された可哀そうな子になれば、お父さん、お母さんは今までの間違った子育てを反省して、もっと私(僕)のことを優しく愛してくれるだろう」と信じているから。
(4)過剰な期待や過度の要求を持つ親を前にして、親を満足させるだけの能力は無いけれども、愛嬌があって愛される「可愛いできない子」の立場をとる。なぜならば、「できなくても、応えられなくても、可愛ければ、お父さんとお母さんは私(僕)のことを愛してくれるだろう」と信じているから。
(まだまだ他にもあると思いますが、今回はこれくらいにしておきます。)
(1)~(4)のような子どもの頃に選択した親の期待や要求に対応するやり方は、その後のその人物の人生において、世の中を生き延びていくため、人から愛情を得るための「生存戦略」として、中心的役割を果たします。
そうやって子どもの頃に選択した「生存戦略」は、「仕事」「恋愛・結婚」「人間関係」「健康」「経済」といった人生の様々な分野において、悩みや問題、病気の原因となり得ます。
例えば、「(1)親からの過度な期待や過剰な要求に対しては、際限のない努力で応える」という「良い子」の生存戦略を選択した人物は、
【仕事面】
・ 「できる人」「すごい人」と思われたい
・ 成功して富や権力、名声を手に入れることにとらわれている
・ 人からどう評価されるか気になって仕方がない
・ リーダーや責任者の立場を任されると緊張する
【恋愛・結婚面】
・ 「運命の人との素敵な出逢い」や「理想の結婚(愛)」を夢見て、それにとりつかれている
・ いつも自分と相手が釣り合うかどうかが気になる
・ 心のどこかで「自分は人から愛されるないのではないか」と恐れている
・ 「私は幸せに値しない」と思う
【人間関係面】
・ 人前で緊張する
・ 他人の目を気にする
・ 「相手と自分、どっちが上か、下か」と、人と自分を比べて優越感に浸ったり、劣等感を感じたりする
・ 他人に勝つことで自分を価値付けする
【健康面】
・ 他者の期待や要求に応えようとして、いつも頑張り過ぎの状態が続いているため、常に過労で疲れている
・ 病気でもないのに体調の良い日がほとんどない
・ 体調を崩したり、病気になったときしか仕事を休めない
【経済面】
・ 「お金を持っていない自分はダメな人間だ」と思う
・ 「私は絶対に裕福にはなれない」と思う
・ 将来への不安が強く、貯金ばかりしている。お金を楽しく使えない
といった悩みや問題を人生を通して経験します。
つまり、
「自分に自信がない」 → じゃあ、「自己重要感のビリーフ」のセラピーを受けましょう
「人前で緊張する」 → じゃあ、「自己重要感のビリーフ」のセラピーを受けましょう
「劣等感が強い」 → じゃあ、「自己重要感のビリーフ」のセラピーを受けましょう
という表面的な理解だと、間違ってはいないけど、理解が不十分だよ。
「自分に自信がない」「人前で緊張する」「劣等感が強い」といった自己重要感のビリーフによって引き起こされる悩みは、あなたが子どもの頃に、
(1)親の期待や要求に対して逃げることなく真正面から向き合い、全ての期待や要求に応えるべく際限のない努力を続けて「良い子」を目指す
という生存戦略を選択して、それを今も続けていることに本当の原因があるんだよ。
だから、
もし、あなたがビリーフチェンジのセラピーを受けて自己重要感の悩みを解決したいのであれば、そのためには、あなたが子どもの頃から続けて来た、
「私は誰からも愛されたい」「私は誰にも嫌われたくない」、だから、「人からの期待や要求には際限のない努力で応える」
という無理のある生き方、人から愛されるための生存戦略を変えないといけないんだよ。
というところまで理解を深めて欲しいのです。
自己重要感について深く学びたい方は、本日がお申し込みの締め切りです:
【申し込み本日締め切り】
■「自信がない」「人前で緊張する」「人からの評価が気になる」を止める!
■初心者・未経験者向け(2日間)
■「ビリーフチェンジ・短期集中養成講座」
【福岡会場】
2月9日(土)~10日(日)
【担当講師】
宮岡真由美
【詳細・お申込み】
心理セラピスト 棚田克彦