『ビリーフの作られ方(つづき)』 | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ

前回からの続きです。


前回の内容を簡単にまとめておくと、



● 重要なビリーフの多くは、子どものときに親や先生、社会規範、メディア等からインストールされたプログラムであり、わたしたちが十分な理解力や選択力が無いときに身に付けたものが多い


● 「とてもうれしい」「とても楽しい」「とても怖い」「とても悲しい」といったように、強い感情をともなう出来事を経験したとき、人はその経験を通してさまざまな「結論」を導き出す。そうした「結論」を不変の真理として潜在意識の中に深く埋め込んで、無意識化してしまったものがビリーフとなる


● ビリーフは、あなたがポジティブを追求して、ネガティブを回避するために必要な生き方のルールである。つまり、「ビリーフにしたがって正しく生きることで、喜びが手に入り、苦痛を回避することができる」と、あなたの潜在意識は信じている



では、具体的なビリーフの種類について見ていきましょう。


まず、今回はじめに紹介するのは、『意味付け』のビリーフです。


ある出来事や物事が、自分にとって何を意味するのか?


それが、意味付けのビリーフです。


数式の形で表現すると、


 X = Y (XはYを意味する)


となります。


いくつか具体例をあげると、


「失業 = 人生の落伍者 (失業したら人生の落伍者だ)


vs.


「失業 = 本当にやりたい事を始めるチャンス (失業は本当にやりたい事を始めるチャンスだ)



「美人 = 冷たい人 (美人は冷たい)


vs.


「美人 = 心も美しい (見た目が美しい人は心も美しい)



「お金持ち = 運が良かった人 (お金持ちになれた人は運の良い人だ)


vs.


「お金持ち = 真面目に努力をした人 (お金持ちは真面目に努力をした人だ)



「成功 = 社長 (成功とは社長になることだ)


vs.


「成功 = 年収3千万円以上 (成功とは年収3千万円以上になることだ)



「家族を大切にする = 家族と一緒の時間を持つ (家族と一緒の時間を持つことが家族を大切にすることだ)


vs.


「家族を大切にする = 休日返上で仕事をする (一生懸命働くことが家族を大切にすることだ)



いかがでしょう?


同じ物事や出来事であっても、ビリーフが異なると、それが意味するものが人によって違ってくるのです。


そして、もっとも重要な事は、


あなたの人生がポジティブなものになるかネガティブなものになるかは、あなたがどのような意味付けを選択するかによって決まる


ということです。


人は、自分の身に起こった出来事そのものによって、自動的に幸せになったり、不幸せになったりするわけではありません


自分の身に起こった出来事に対してどのような意味付けをするかによって、幸せになったり、不幸せになったりするのです


もし、あなたが今、人生で痛みや苦しみを感じているのであれば、あなたは自分の身に起こった出来事に対して痛みや苦しみを作り出すような意味付けをしているはずです。


もし、あなたが今、人生で喜びや幸せを感じているのであれば、あなたは自分の身に起こった出来事に対して喜びや幸せを作り出すような意味付けをしているはずです。


「痛みや苦しみを作り出す意味付け」と「喜びや幸せを作り出す意味付け」、あなたはどちらが得意ですか?


(つづく)