医原病という言葉をご存知ですか?
医原病とは、医療行為が原因となって起こる病気や障害のことをいいます。
主な原因は不適切な薬物治療、手術、検査などですが、そのほかにも、医師や看護師の言葉や行動が患者の病状に影響を与える場合があります。
さらには、医師や看護師だけではなく、テレビやニュース、雑誌や本からの情報、家族や友人からの言葉や行動さえも、患者の健康、QOLに悪い影響を与えることがあります。
いくつか例をあげると、
・ 検査結果に目を通しながらの「この病気は完全な治癒が困難ですから・・・」といった医師のひと言が耳に残って離れなくなった。その患者は「自分はもう死ぬのではないか」と思い込んでしまった
・ HIV患者がインターネットで病気に関する情報を探していたら、「ある統計によると、HIVに感染した患者の死亡確率は、発症してから○○年以内でXX%である」と書いてあるのを見つけた。それ以来、毎日を悲観的な気持ちでしか生きられなくなってしまった(後から、それはかなり昔の古い不正確な情報であることが分かったが・・・・・)
・ 「うちはガンの家系だから、あなたもガンになるから気をつけなさい。おばあちゃんもガンで亡くなったし、私もガンの手術をしたでしょ」と親から言われ続けてきた。自分もいつかガンになるのではないかと怖くてしようがない
・ 子どもの頃に親から、「あなたは体が弱いから、他の子みたいに運動をしてはいけません」といわれながら育てられた。大人になった今も、「私は体が弱い」という意識がある
こうした人の思考や気分にネガティブな影響を与える他人の言葉や行動が原因で作られた思い込みのことを、NLPでは「思考のウイルス(Thought Virus)」と呼びます。思考のウイルスはビリーフの一種です。
QOL(Quality of Life: 生活の質)を向上させ、毎日を楽しく前向きな気持ちで過ごすためには、生物的なウイルスから身を守るだけではなく、思考のウイルスから心を守ることが必要になってきます。
特に、ガンやエイズ、糖尿病といった重篤な病をわずらっている患者さんの場合には、先ほど例に挙げたような、家族や友人、メディアや医療関係者が何気なく放ったひと言が、彼/彼女たちの健康や寿命、QOLに関する意識に対して強い影響を与えることがあります。結果的に、病気そのものや回復のプロセスにまで影響が及ぶこともあります。
前回のブログで『ビリーフを取り除くNLPテクニック』を紹介したのを覚えていますか
→http://ameblo.jp/tanada-nlp/day-20080410.html
実は、このNLPテクニック、本来は思考のウイルス、つまり、ネガティブなビリーフを取り除くことでHIV(Human Immunodeficiency Virus: ヒト免疫不全ウイルス)感染症患者やガン患者、糖尿病患者等のメンタル面に起因するQOL(Quality of Life: 生活の質)を改善することを目的として開発されたものです。
前回のブログではダイエットへの応用を紹介しましたが、他にもさまざまな使い道があります。
・ 子供のころに親から「あなたはお父さんと一緒で引っ込み思案だから、人前に出るとダメねえ」と言われ続けたのが心に残り、社会人になった今でも人前で話すことに苦手意識がある
・ 中学生の時に学校の先生から、「お前は運動以外は何もできない奴だなあ」とみんなの前で言われ、笑い者にされて恥ずかしい思いをした。それ以来、大人になった今でも勉強することに抵抗を感じる
・ 高校の習字の時間に友だちから字を書くのが下手なのを馬鹿にされて以来、人前で字を書くときになると緊張して手が震える
こうして過去に他人からの言葉が原因でネガティブな思い込みを作ってしまった場合にも、同じNLPテクニックを使って思考のウイルスを取り除くことが可能です。
NLPテクニックで思考のウイルスを取り除く際のポイントは、「他人の意見や主張、物の見方や考え方と、自分自身のそれとをハッキリと区別・分離をして、他人のものは元の持ち主に返してしまう」ことです。
ちょっと時間をとって考えてみてください。
あなたは、「私は~(な性格)だから~が苦手」といったように、自分自身に対してネガティブな思い込みを持ってはいませんか?
そうした思い込みは、元々は過去に誰かから言われた言葉だったり、何かの本や雑誌に書いてあった他人の意見や主張に過ぎなかったのではありませんか?
そんなときは、前回のブログで紹介したNLPテクニックを使って思考のウイルスを取り除き、心の健康を手に入れて前向きな気持ちで楽しく過ごせる毎日を目指しましょう。