第77回富士登山競走☆レポ | 思えば遠くへ来たもんだァ。いくぜ! UTMB

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トレランとランニングの特に代わり映えしないお話。本当は市民ランナーのグランドスラムをいつかは達成したいと考えているが、遠く及ばない今の現実。しかし一つでもクリア出来たら最高!

オリンピックで寝不足です・・・


興行的には色々と物議をかもす事が多い最近のオリンピックですが、純粋に全力で競技に挑むアスリートの姿はやはり美しく、心が揺さぶられます


4年に一度という時間は、長いようであるけれど、トップアスリートにとっては、最高のパフォーマンスを発揮出来る期間はあまりにも短く、そこに合わせられず、結果を出せなかった選手のその姿には何か儚さも感じてしまいます(もちろん、そこで全てが終わってしまう訳ではありませんが)


しかし、全てを注ぎ全力で取り組んできた努力は、必ず人生の糧となる宝だと思います


どんな結果になろうとも・・・



おっさんの独り言でした













さて、富士登山競走の当日です


起床は5:00


昨夜はなんやかんやで落ち着いたのが12時過ぎ、車中泊は意外と周りも静かで気温もさほど高くなく快適でしたが、中々寝つけず睡眠時間は4時間くらいか


外に出ると、くっきりとそびえる富士山が

まさにこんな感じ
これは暑くなりそうだ、去年も同じような天気だったな


前夜にほとんど準備は済ませてあったので、着替えて朝食の焼うどんとバナナを2本食べて、ハミガキして会場へと向かうバスに乗った


以前はバスに乗るまで少し待ったりしたが、今は待ち時間なしでスムーズに乗れます


まもなく会場に到着、トイレはバスに乗る前にすましたが、いまいちスッキリしないので悩んだけどスタート前に結局行くことはなかった


暑さはそれほど感じないが、喉が渇きがはやいような気がした


あ、これはかなり緊張しているなと、自分でもわかった


去年の記憶がよみがえってきて、かなり不安な気持ち


果たしてロードをどれくらい走れるのかまったく未知数だったのと、2日前からONTAKEで転倒して打ちつけた左膝に痛みが出ていたのが気になっていた


携行したのは

カフェイン入りジェル×2

(KODAとマグオン)

普通のジェル×2

(俺は摂取す×2)

ベスパハイパー×2

ミドリ安全塩熱サプリ多数

コムレケアジェル1包

フィリップベルト用のボトルに経口補水液を300ml

シャカシャカジャケット

現金3000円


収納はフィリップベルトを使った、シューズは富士登山競走6回め(5合目含む、丈夫だね)のアシックスライトレーサー4


少しでも軽くしたかったので、装備、補給食は安全マージンを最低限確保しながら時計も今はトレイルレースでは使わなくなっていたガーミン935を選択


5合目行きの荷物を預けたところでmieさんに会う

今回は出走する知人が少なかったので、知り合いに会えて少し緊張がほぐれました

喉の渇きは相変わらずでスタート前に貰ったアミノバイタルを飲んだり、ずいぶん水分をとった

スタート前にカフェイン入りジェル1個目投入(ONTAKE終わってからカフェイン断ちしてました)

交通規制が解除され、いよいよ整列

去年まではBブロックも、今年はCブロックに振り分けられたため、早めに整列した

Cブロックの4例目くらいか
富士登山競走においてスタート位置は非常に重要、スタートの10秒、20秒のロスが分単位で変わるといっても決して大げさではない

瑠偉くんの選手宣誓


毎年恒例の宮下さんによるエール

「熱中症警戒アラート~中略~ここにいる皆は大馬鹿野郎、無理を承知の上で頑張りましょう❗」ww

富士登山競走は、参加選手の熱量が半端ない時にそれがあらぬ方向へ向かうが

恒例の、あの掛け声
気持ちが昂ってくる、さぁいよいよだ

10秒前

パンっ

乾いた音と共に花火があがってレースの火蓋が切って落とされた

計測マットまで20秒と少し、ひとつ目の信号を越えると一気にスピードが上がった

無理をしないで入ることを心がけて、大丈夫、大丈夫、落ち着いてと心の中で何回も繰り返した

とにかく今日は序盤の馬返しまでがとても重要と考えていて、どれだけ体力を残しながら通過タイムを削っていけるかが勝負でした

目標タイムは1時間05分に設定

月江時駅入口の交差点を左折し、商店街に入るといよいよ登りがはじまる

序盤でスピードが出ているので、結構苦しくなる

周りにつられてオーバースピードにならないように気をつける

商店街を登り切り、上宿交差点を左折、コースは100mくらいフラットになるのでペースは落とさないが、呼吸を整え脚を少しでも休ませる意識をもつ

コースを右側のラインにとりながら浅間神社を右折して最初の給水

左側の給水は混むのでスルーして、右を選択こちらはスムーズ

去年はすでに体調が悪化してレースを諦めていた

ここから木陰が多くなり涼しくなる、身体の暑さへの対応も出来ている

身体の調子は悪くなさそう、それでも何が起こるかわからないので、とにかく安定して走るのが大切、ペースの上げ下げを極力抑えながら、感覚的に85~90%の出力で走ることに集中し、黙々と進む

7キロ過ぎ、中の茶屋
38台で通過

給水とレモン

馬返しまで残り約3.5キロ

キロ7~8で行っても大丈夫そうか?そんな計算をしながらロード後半へ

中の茶屋以降は傾斜もぐんときつくなるので、そこは無理をしないで走る、頑張る局面はまだまだ先だ

それでもロード最終盤は呼吸も苦しくなり、足も上がらない

絶対に歩かないという思いで進んで馬返し通過

1時間03分57秒

予定より1分早い、上出来だ
給水とレモン

トレイル区間に備えてジェルとベスパハイパー投入

森へ入ると更に涼しくなった
所々渋滞するも酷くはない、身体を休ませつつ、既に大量の汗をかいていたので予防的に塩熱サプリをいくつかかじった

この区間でも決して無理はしなかった、全体の流れに乗りつつも僅かに周りよりも速いペース

3合目手前、給水とレモン

富士登山競走で食べるレモンはとにかく旨いし、回復する

4合目過ぎて、一旦ロード、脚が全然回らなくてちょっと驚いた

何故かむちゃくちゃお腹が空いてきて、ちょっと早いけどジェル投入

再びトレイルへ、今日は時計に目をやる機会が少なかった

そんな時は調子はいいハズ、辺りが開けて5合目まであと僅か

5合目通過
2時間04分43秒
ラップ1時間00分46

目標は2時間10分以内だったので5分の貯金

上手くいっている

佐藤小屋
給水とレモン、あまりの空腹でバナナまるごと一本食べる

星観荘でヘルメット装着
前後間違えて指摘を受ける、再装着もストラップが短く、若干手間取る

6合目の安全指導センターまでは意外と長い、道幅狭く追い越しも難しいので体力温存しつつ流れに乗っていく

6合目
給水とアミノバイタル

ここから砂礫区間、割りと得意
僕なりのコツがある

着地や蹴りだしを色々使い分ける、路面の状況を見ながら爪先側で着地したり足全体で着地したり、なるべくずり落ちないようにロスを少なくする

先に歩いた人の足跡の底の部分に自分の足を入れていく
そうすると割りと安定する

7合目、花小屋通過

サーフェスはザレた砂礫から岩稜帯へ

7合目のどこかの小屋に給水があった、以前はなかったような気がするので、給水ポイントも増えたのだろう、とてもありがたい

体力も結構消耗してきたが、ここからが頑張りどころ、登山道は岩場となり幅も狭くなる一般登山者、選手が密集して流れに任せているとペースが落ちる

ここでは少しでも速く自分の進めるルートを探せるかがポイントだ、視線を先にやり登山道を良く見て進む道を探す

ただこれは瞬間的にパワーを使ったりしなくてはいけないのでかなり体力を消耗します

ということで頑張りどころなので、プッシュします

人の少ない方、少ない方へルートを選んで、四つん這いになりながら先行するランナーを少しづつかわしていく

小屋の前は短い距離ですがフラットなので、走ってタイムを削りながらここでも選手をパスする

かなり辛くなってきたが必死でこらえる

もう、完走は大丈夫だろう
あとは自分が納得できるレースが出来るかだ

どうだろう、サブ4は無理だけど4時間一桁いけるか?

そんなことを考えていた

8合目手前、またもや空腹感で最後のジェル(カフェイン入り)を投入しブーストをかける

8合目、給水
富士山ホテル、最終関門通過
8時間41分21分
ラップ1時間36分38秒

水をもらって、飲み干した瞬間

一瞬、目の前が真っ白になった

頭がクラクラする
あれ、結構ヤバい?これ

気を緩めたらだめだ、強い気持ちを持たなきゃ

そう思って、あえてプッシュする

普通のジェルとは違うが、最後に残ったベスパハイパーを投入

これで携行してきた補給食は全て使い切った

再び砂礫の区間、とにかく先行するランナーに追い付き、追い越そうと思って進んだ

9合5勺を過ぎて再び岩稜地帯へ
ランナーが密集して中々上手く先へ進めない

そんな時、少し先行く方が足が攣ってしまったらしく、踏ん張りがきかず、一歩踏み外して上からズルズルと落ちてきた

咄嗟に僕と周りにいた二人で、その方をなんとか受け止めて事なきを得た

みんな限界がきている
僕もそうだ

僕はひとり
もう少し、あと少し!」
「がんば、がんば」
と、大きな声を出す

山頂までもう少しのところで再び少し渋滞気味になったところでペースを落として、一歩一歩噛みしめながら進んだ

上の方から名前を呼ばれた

ONTAKEでもお会いしたサトテツさんとけえこさんだ
写真ありがとうございます(^^)

最後の鳥居をくぐって階段を登り計測マットが見えた

ゆっくりと駆け込んで
ゴール❗❗

タイム
4時間13分11秒
ラップ31分50秒
去年の事もあったので、最高に嬉しい

まだ人気も少ない山頂小屋の隅っこで、ひとり祝杯をあげた
やはり高度障害の症状も少し出ていたのでゆっくりしか食べられなかったが、その分しっかりと味わった

といっても、あまりゆっくりは出来ない

富士登山競走はレースが終わってからも結構大変

スタートが7:00なので制限時間は4時間半の時点で11:30

5合目からメイン会場である北麓公園までシャトルバスが出ているが、終バスは14:00

下山に残された時間は2時間ちょっとしかないのだ

富士登山競走はシューズが一発でダメになると言われいるが、その原因は下りである

急いで下山しないといけないのでヤスリのような岩と砂礫でシューズのソールは削られる

無事にスバルライン5合目にたどり着いてバスに乗り込み、北麓公園に戻ると、ちょうどmieさんがいて、声をかけてくれました

ブログでほんの少ししかつながっていなかった皆さんともリアルにお会いできてウレシイです

ほかにもレースならではの繋がりも出来て楽しかったです
ゆっくりと温泉に入り、のんびり帰りました

日付が変わるころいわきに到着し、帰宅

とにかく
ホッとした

一年間感じていた心のモヤモヤがようやくはれた日でした


男子総合385位(速報値)


関係者の方、ボランティアの学生さん、自衛隊の皆さん、沿道で応援して下さったたくさんの皆さん

お世話になりました、ありがとうございました


来年走るかはわからないけど、連戦は、よーく考えよう