環境技術協力―福岡方式の廃棄物処分場を視察 | 田辺かずきのブログ

環境技術協力―福岡方式の廃棄物処分場を視察

福岡県議会のバンコク都議会友好訪問団として、福岡県がタイへの環境技術協力の一環で事業を進めている廃棄物処分場を視察しました。


シーキウ市14

県の技術指導によって廃棄物処分場が造成された場所は、ナコンラチャシマ県シーキウ市。バンコク都から北東に約350キロ、車で片道4時間程かかります。27日、現地を訪問。プリーチャー・チャンルアントーン市長らから説明を受けました。


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この処分場は「福岡方式」と呼ばれる埋め立て技術を採用しています。県によると、福岡大学の花嶋正孝名誉教授によって発明されたもので、1975年に福岡市で採用され、効果を確認。現在、日本国内の処分場でも一般的に採用され、2008年には環境大臣賞を受賞しています。


シーキウ市12


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その特徴は、埋立地の内部に管を通し、外気を取り込みやすい状態(好気状態)にしてバクテリアの働きによって廃棄物を分解、硫化水素ガスやメタンガスなどの発生を抑制します。安定化までの時間も短くなるといいます。


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シーキウ市に処分場の規模は0.45ヘクタールで、搬入量は1日約17トン。工事費約3500万円はシーキウ市が全額負担しています。県は2012~14年度、JICAの草の根技術協力事業を活用して、専門家を派遣。処分場の適地選定から設計までの工程について技術指導を行ってきました。15年度は、処分場の維持・管理の指導やガイドラインの作成を支援しています。


シーキウ市15

また、現地では処分場の周辺に大量のゴミが野ざらしになっていました。タイも含め東南アジア諸国では廃棄物処理は重要課題であり、今回の処分場建設と管理に対する福岡県の支援のように、日本が果たす役割はまだ大きいものがあると実感します。


これに先立ち、シーキウ市役所も表敬訪問。市長は「廃棄物は大きな問題だが、真剣に考えて取り組んできている。『福岡方式』の処分場が動き出せば、シーキウ市の廃棄物問題は解決に向かう。福岡の皆さんのおかげであり、市の代表としてお礼を申し上げます」と述べられました。ここをモデルにタイの各地に広げていく構想もあるといいいます。


シーキウ市2


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シーキウ市1

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歓迎の劇も披露され、楽しませていただきました。


シーキウ市6


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26日は都知事表敬に先立ち、友好交流の証として2013年にバンコクに贈った桜の木の状況を確認しました。


バンコク1


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都知事に消防自動車を寄贈した(2015年11月30日付ブログ 参照)後、クリアンサック・ロハチャラ都議会議長をはじめ議員の皆様を表敬訪問し、議場で意見交換をさせていただきました。


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その後、タイヤクルトを訪問しました。タイ福岡県人会の岡本貞明会長がManaging Directorを務められており、同社のタイ国内における事業について説明を受けました。


タイヤクルト1


タイヤクルト2


また、タイ福岡OB会も結成されています。タイから福岡県内大学等への留学生は、ここ数年は毎年度90人前後で推移しており、留学生OBとの交流を続け、つながりを維持・発展していくことは、大変重要です。


最終日の28日は、タイ福岡県人会とタイ福岡OB会の皆さんとの意見交換・懇親も行いました。その後、深夜(29日午前1時=日本時間午前3時)バンコク発の便に乗り、福岡空港に午前8時に帰国しました。


今回のバンコク公式訪問の成果をこれからのさらなる友好交流の深化につなげるため、しっかりと取り組んでいきます。


バンコク3