開会―飲酒運転撲滅条例・可決/予算提案理由 | 田辺かずきのブログ

開会―飲酒運転撲滅条例・可決/予算提案理由

福岡県議会の2月定例会は22日、開会しました。


初日は、全国初となる罰則付き飲酒運転撲滅条例案(正式名称=福岡県飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例案)を可決しました。4月に一部施行、秋にも本格的に施行します。



田辺かずきのブログ-飲酒運転撲滅条例成立
条例案を起立採決で可決。田辺は議員席最前列右から3番目


本条例は「議員提案」によるもの。昨年から、県議会各会派が代表者を出して調整会議(座長・樋口明県議)を設置。調整会議の議論を各会派に持ち帰り、説明・意見集約を繰り返して条例案を作りました。


福岡県議会が政策条例を議員提案したのは初めて。これまでは行政からの提案のみでした。議会の本来的な機能として「政策立案」が求められている中、その一歩目を踏み出したと言えます。本条例は「議会改革」の側面もあります。


条例制定の背景にあるのは、福岡県において、飲酒運転による幼児3人の死亡事故(06年8月)や男子高校生2人の死亡事故(11年2月)など犠牲者が相次いでいるうえ、飲酒事故の件数が全国最悪水準で推移していること。


条例前文では「もはや、私たちは、県民の生命と安全が日々脅かされている事態をこのまま看過することはできない」とうたい、第1条(目的)に「県、市町村、関係機関及び団体が連携し、県民と一丸となって飲酒運転撲滅運動を推進するため必要な事項を定めることにより、飲酒運転は絶対しない、させない、許さないという県民意識及び社会風土を定着させ、もって県民の生命と安全を守る」と掲げました。


まさに「地域として飲酒運転に向き合い、その取り組みのための枠組みを作り、モラルを取り戻すための条例」(小佐井良太・愛媛大学法文学部准教授)と言えます。


ポイントは、理念はもちろん、政策的に実効性を伴う内容とした点。各メディアの報道にもありますが、罰則(第37条 過料)として――

①2回以上の違反ドライバーにアルコール依存症検査を義務付け(第8条 受診義務等)、従わない者は5万円以下の過料

②違反ドライバーに酒類を提供した飲食店等の営業者が、防止のための指示書の掲示命令(第20条 指示違反に対する措置)に従わない場合、5万円以下の過料

――を規定しています。



田辺かずきのブログ-飲酒運転撲滅講演会
写真右側の壇上は被害者遺族の山本美也子さん


条例成立後、県議会として飲酒運転の被害者遺族の方々を招き、講演会を開催。11年2月の粕屋町の事故で息子さんを亡くした山本美也子さんは「飲酒運転が不思議なくらいになかなか減らず、悔しい。(今回の条例制定も含め)社会の方々で飲酒運転はダメだと言い続ければ、社会は変わる。飲酒運転は『普通の人』が犯してしまう最大(最悪)の犯罪」と訴えました。


本条例は第一歩です。「血の通った条例」(被害者遺族の松原道明さん)にするためには、私たち一人一人が条例の理念に基づき、活動していかなければなりません。条例は事務所に置いていますので、ご所望の方はお立ち寄りください。


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福岡県の小川洋知事は22日開会の県議会に地域共生型介護「宅老所」の県独自の支援費 を含む総額1兆6313億4200万円の2012年度一般会計当初予算案などを提案しました。


小川知事は提案理由説明で、歴代初めて、宅老所に言及。「利用者のニーズに柔軟に対応している宅老所について、新たに防災設備の整備、バリアフリー化を支援します」と述べました。これまで国や地方の政策の枠外に置かれていた宅老所にとって、「公が存在を認めた」ことになる知事の発言は大きな前進で、ありがたく思います。


このほか、小川知事は、今議会に同じく提案した「福岡県総合計画案」や「行政改革大綱案」を基本としながら、地域医療の充実や高齢者・障がい者・女性・子どもを巡る福祉政策はもちろん、▽雇用の8割を担う中小企業支援▽環境を軸とした世界の産業拠点化▽若者の農業参入支援と経営力強化▽再生可能エネルギーの導入によるエネルギーの「地産地消」▽原子力防災の向上▽飲酒運転撲滅・暴力団対策――などに注力する考えを示しました。


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2月定例会の会期は3月23日までの31日間。2012年度(平成24年度)当初予算案などを審議します。主な日程は以下。(※細かな部分は割愛していますので、詳細が必要な方は県議会のホームページ をご参照ください)


22日(水) 開会

29日(水)~1日(木) 代表質問

2日(金)~7日(水) 一般質問

8日(木)~9日(金) 常任委員会

12日(月)~16日(金) 予算特別委員会

19日(月) 常任委員会

21日(水) 常任委員会・予算特別委員会

23日(金) 採決・閉会


私は一般質問で登壇し、予算特別委員会のメンバー(86人の議員のうち31人を選出)にも入っています。質問日時や議論の詳細は、いつものように当ブログでも報告していきます。



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