介護報酬と現場の声/台北・故宮 日本展 | 田辺かずきのブログ

介護報酬と現場の声/台北・故宮 日本展

本日、地元の介護現場の方と意見交換。


政府は1月25日、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)に2012年度の介護報酬改定案を諮問しました。介護報酬は3年ごとに見直されています。12年度は1.2%増のプラス改定になっており、「施設から在宅へ」の理念を強化していますが、現場はどうとらえているのか――。


「小規模のデイサービス事業所の場合、現状と同じ数の利用者がいると想定して、(職員が)働く時間を長くしても、事業所の現在の収入を下回ってしまう」


こういうケースが出ています。介護を巡る制度は極めて複雑でにわかには理解しづらい部分が多々あります。「働く時間を長くしても、事業所全体の収入が下がる」とはどういうことか。


たとえば、小規模通所介護で試算します。これまで、ある事業所が「要介護2」の高齢者を6時間半受け入れていたなら、1日の介護報酬は9220円でした。これは「6時間以上8時間未満の場合」は「1日922単位」(※1単位=10円)と決まっているため。この基準が、今回見直され、「5時間以上7時間未満の場合=825単位(8250円)」と「7時間以上9時間未満の場合=951単位(9510円)」の2つに分かれました。報酬は、受け入れ時間が6時間半のままだと970円減少しますが、たとえば7時間半に延長すれば290円増加します。


利用者の受け入れ時間を延長(=介護する側の働く時間も延長)したとします。この状況に、ほかの条件を踏まえた加算や減算という算定を踏まえ、利用者の数を掛け合わせると、現在の介護報酬の総額(=事業所の収入)を下回ってしまいました。


つまり、小規模事業所において、現場の労働負担を増やしても現状の経営水準を保てない、という現象が起きます。


また、現行の介護職員改善交付金(賃金を1万5000円上げるためのもの)が、交付金ではなく、報酬に加算される形に変わったことにも不安の声があるといいます。


こういった話も踏まえ、介護の問題に取り組みます。


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9日付各紙朝刊に掲載された共同通信の記事。


「台北故宮」14年に日本展/東京国博と基本合意 (西日本新聞の見出し)


台北の故宮博物院が、所蔵する文物について、東京国立博物館(東京国博)で展覧会を開催することに、東京国博と合意したとの内容。実現すればアジアでは初の海外展覧会となります。


故宮の文物展は、台湾と九州の近接性を重視し、ぜひとも福岡県太宰府市にある九州国立博物館で開催したいところだと以前から述べてきました。


昨年7月の訪台で、故宮博物院も視察(7月31日付ブログ )。この際の展示から台中間の融和も強く感じ、帰国後の8月の国際交流推進対策調査特別委員会では、福岡県の九州国立博物館の所管課に対し、「九州国立博物館での文物展開催を目指してほしい」と要望(8月24日付ブログ )。さらに、1月には九州国博の館長にも同趣旨の思いを述べました(1月17日付ブログ )。


正直、日本開催は「東京開催」が前提にあるだろうことは想像していたので、不満も落胆もありません。むしろ日台の国家レベルの文化交流が実現することを喜ばしく思います。


記事には「京都や仙台での開催を提案する声もあり、東京以外での開催についても今後検討していく」とのくだりもありました。九州国立博物館としては、ここに手を挙げてほしい。継続して取り組んでいきます。


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