39年前の話です。
池袋サンシャイン劇場にて
ブリテン作曲《カールュー・リヴァー》
能の「隅田川」を基に作られた教会上演用オペラに、坂東玉三郎さんが狂女の役で主演され、巡礼者の役で主人も参加しました。
その一年後くらいに日生劇場でギリシャ悲劇《王女メディア》にやはり坂東玉三郎さんが主演され、コロス役で私も参加させて頂きました。
そんなご縁があり、その後は
片岡孝夫(現・片岡仁左衛門さん)坂東玉三郎のコンビで歌舞伎座での《助六、揚巻》などを主人と観劇し楽屋にも伺わせていただいたりしたものです。玉三郎さんはとても優しく素敵な方です!
その時から40年近くも長い間、日々の鍛練を繰り返し歌舞伎の舞台に立たれてるすごさと役の感情表現の素晴らしさに感動し、胸が熱くなり自然と涙が溢れてきました!
仁左衛門さんの息子、片岡孝太郎さんとは35年くらい前に
蜷川幸雄さん演出《仮名手本忠臣蔵》で、その3年後にも再演でご一緒させて頂きました。孝太郎さんは大星由良之助の息子・力弥役でした。義太夫をオペラ風に代えての演出でした。
今回の歌舞伎座では色んな事が頭と心に去来して、終演後にすぐに行動出来ずしばらくボーッとしながら一人お茶しました。
仁左衛門さんファンのAさんが仁左衛門さまの出待ちをするとの事で「良かったらいらっしゃいませんか?」と言われ遠巻きに見ていようと思っていましたら「お声かけて差し上げたらいかがですか?」
結局図々しくお声かけさせて頂き勧進帳の時と今回の感動をお伝えしました。
優しいお顔とお声で「ありがとう!」と。
舞台での立ち振舞いも素に戻られたお姿もなんて素敵なんでしょう!
お疲れのところ、こちらこそありがとうございました!
また機会を作って是非歌舞伎を観劇したいものです。