スルガ銀行から学ぶこと | 池田で働く不動産屋の日記

池田で働く不動産屋の日記

創業昭和24年の不動産屋3代目として「創業守成」を実感しながら、仕事をしている日々の出来事を綴っています。
また、2010年に社団法人池田青年会議所第48代理事長を務め、生まれ育ったまち「池田市」に愛着を持ち、地域社会貢献活動も積極的に行っています。

11日土曜日の夕方、毎日放送の報道特集で

スルガ銀行に騙された方々の特番がありました。

 

福岡にお住まいの会社員が大阪市内の中古収益マンション1棟を

2億4千万円で購入した事例でした。

 

サブリース契約付ということで買われたようですが、

一度も現地を見ずに契約されています。

 

スルガ銀行が物件を斡旋し、不動産会社を通じて購入したようですが、

購入から2年ほどでサブリース契約が解約され、収益が毎月30万円の

赤字になったようです。

 

多額の借金返済は残り、貯金を切り崩して返済をしなければ

いけなくなりました。

家賃収入から経費になるのは金利と光熱費等だけですので、

返済金は所得になりますから、税金も別途必要となります。

 

物件を売却しようと査定を依頼したところ、購入価格の半値の査定で

残債を下回るので、売ることもできないことがわかりました。

 

困り果てて、家族に事実を打ち明け、現在スルガ銀行に物件との相殺による

債務免除の訴えを起こしているようです。

 

騙す方も悪いですが、騙される方にも問題があります。

土地勘のない場所の物件を見ずに多額の借金で不動産を買うというのは

危険すぎます。

 

また、会社員に年収の数十倍もの融資を銀行がしてくれるなど

あり得ないことです。

我々不動産会社でも自己資金なしで全額借り入れできるケースは、

ほとんどありません。

 

サブリース契約というのは途中で解約もできますし、家賃が値下げできる契約に

ほとんどなっています。20年や30年という長期契約がすでに人口減少している日本で

通用するかどうかも考えた方がいいと思います。

 

投資物件は多数売りに出されていますが、ごく一部の優良物件を素人の方が購入するのは

至難の業です。プロの不動産会社でも失敗しています。ご注意下さい。