【英語を教える】Pragmatics/語用論、ご存知ですか?

 

 

おはようございます。英語を教えながら
英語の先生の先生をしています、ミツイです。
 

 

ベレ出版さんのNoteブログにて
私ミツイのブログ記事、公開中です。
良かったらご覧ください。 


第2回目の「多様性」に関する記事はこちら

 
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英語を教えている皆さん、
Pragmatics/語用論というのは聞いたことがありますか?


Pragmaticsというのは
特定の社会文化の中で言語がどのように使用されているか、
そしてそれがどう受け取られているか、
ということに着目した学問の分野
です。

例えば
「明日、夜ご飯を食べに行かない?」と聞いた時、
「明日はテスト勉強をしないといけなくて…」と言われたら
直接的にNoという言葉がなかったとしても
その誘いは断られている、ということが分かりますよね。

特定の文化では、時に
こうして「湾曲に」誘いを断る方が良い、とされていることもあります。
でも、TPOによっては
「直接的に」誘いを断る方が良いこともあります。

という感じで、「どう言語を使用すべきか」というのは
すごくCulture-Specific(文化によって異なる)と同時に
環境によっても異なるわけなんですよね。


こうしたことをもきちんと学ばないと
「文法は正しいし語彙力もあるのに、
なんかあの人との会話はチグハグなんだよね…」
とか
ネイティブに思われてしまったりして
「流暢」「自然」な英会話ができているとは言えなかったりするのです。

ですので
一般的には「外国語を学ぶ際には、その国の文化をも学ぶ必要がある」
と言われたりするわけですが
こうした時に指す「文化」というのは
ハロウィンだとかクリスマスだとかいう慣習のことだけでなく
こうした「言語使用に関する習慣的な文化」もが含まれているわけです。


そして、先日書かせていただいたブログでは
つまり
「英語は道具(Tool)」だという認識を持っていると
「言語使用に関する習慣的な文化」を学ぶまでのレベルに
辿り着かない人が多いのだよ、と。

だから「それ以上」「その先」を見据えた英語学習を
していきましょうと呼びかけた、わけなのですが。。。

 

 

「第1回:英語を学んでいるあなたに、お願いしたいこと」

 

 

 

こちらのブログ記事を読み、
京都の大学で英語を教えていらっしゃる
ETAJ理事の中井翔先生
こんな考察をしてくださっていました。 


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外国語教育では
「語彙・文法・発音力」ばかりに焦点が当てられがちだが、
相手へのエチケットや配慮を示せる
「語用論(pragmatics)力」の重要さはあまり語られない。

海外で友人や恋人が直ぐにできる人は、
後者のスキルに長けている人が圧倒的に多い印象。

たとえ前者のスキルが熟達しておらずとも。
語用論スキルは、俗に言う「コミュ力」。
しかし、その人の生き方、品位、素行、教育レベル、
もしくは家庭環境までもを反映するほどのもののように思える。


 

語用論の指導が言語教育分野で普及しない原因の一つに、
それの構成概念妥当性(construct validity)を
評価することの難しさに関係していると思われる。
つまり、「この人は語用論能力が高い/低い」と評価したときに、
その評価が妥当か否かを
正確に判断できる基準をどこに持ってくるのか、という問題がある。

語用論スキルを左右するのは文化や価値観などの要因が伴う故。

それを安定して測れる
(robustな)測定道具(assessment measure)が確立されて
初めて、カリキュラムに導入されるのかもしれない
(現段階では、Could please you ~?を使って
丁寧にリクエストできたか、程度)。


 

ということを考えながら辿り着いた答えは、
学習者自身が、まずは主観でいいから
「自分ならこの場合どのように振る舞ってもらいたいか?」を
日々意識することが大切だということ。

そこから、自身の経験から思いもつかなかった
素敵なエチケットや配慮を他国の人から目の当たりにしたとき、
それらをどんどん取り入れていけばいいのではないか。

 

ちなみに、AIに最も手助けてもらうのが語用論の部分。
メールを書いていても
「この文を最初に持ってくるのはちょっと失礼かな?」など
しょっちゅう悩みまくるから。

 

 

 

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翔先生は、パッと感じたことを綴っただけだから
専門の研究者の方からすると
「何を言っているんだ」という感じかもしれないけど…と
仰られていましたが

いやいや、こうして感じたことをパッと
アウトプットしてくださるからこそ
こちらの思考もグルングルンと駆け巡ることができ
「そう言われれば!」とか
「考えたことがなかった!」とか
そういうことにまで考えを巡らせる機会となるんですよね。
 

私のようにオンラインで活動している人間にとっては
翔先生のように

色んな事をパッと綴ってくださる方は
まさに貴重なリソースの宝庫になってくださっていると感じます。

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さて、Pragamticsですが…

確かに今の英語教育では
「丁寧な表現に言い換えなさい」とか
その程度のPragamticsしかカバーしていなくて。

だから「教えてもらえる」という姿勢で学習をしていると
私がブログで書いたような表現は
絶対に言えるようにならない
、のですよね。


というのも、前述したように
Pragmaticsというのは
Cultural-SpecificなうえにTPO-Specificなので
教えるのが非常に難しいわけです。

なので、私自身、「今の時点での最適解」は
翔先生が書かれているように
「まずは主観でいいから
「自分ならこの場合どのように振る舞ってもらいたいか?」を
日々意識することが大切だということ。

そこから、自身の経験から思いもつかなかった
素敵なエチケットや配慮を他国の人から目の当たりにしたとき、
それらをどんどん取り入れて」
いく、ということ
だと思うんです。

 

 

でも、それができるには
①文法や語彙を学ぶ「学習初期・中期」の段階から
「自分なりの仮説を立てて学ぶ姿勢」を持つ、ということ

そして
②実際に「使う」ことをしながら「学ぶ」こと
(詳しくはこちらのブログ記事もご覧くださいね)

という

この2つの学習姿勢が大事なのだと感じます。

 

そして、実際に②までが出来ている人が
翔先生のように生成系AIを活用できる
のだと感じます。

でないと
結局「知識の寄せ集め」になってしまいますし
「活かす場」がなければ定着しません。

定着しない学習を繰り返していても
それは「やったつもりになっている」だけですので
それは気を付けねばならぬところですね。



英語を教えていらっしゃる皆さんは
どうやってPragamticsを生徒さんに教えていますか?


もし良い方法がありますよ!という方がいましたら
是非教えていただけると嬉しいです。

私も引き続き、思考を巡らせていこうと思います。

 

 



Happy Learning & Happy Teaching!!!!!
 


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