【グローバル社会】なぜ米国で銃規制がされ難いのか。

 

 

おはようございます。英語を教えながら
英語の先生の先生をしています、ミツイです。

 

 

昨日のブログ記事を受け、
レッスン中にも話題にのぼりましたので

少しだけ補足説明をさせてください。


大まかなことはこちらから。

 

 


まず、「子どもに起きた事件について教える」としても

それは子ども達の前で
親同士の事件に関する会話を聞かせても良い、
ということにはなりませんのでご注意ください。

一人の方がこれについて触れられて気付いたのですが
アメリカ人は子ども目線で
「今何を話すべきか、話さないべきか」ということに敏感です。

ですから私も自然にそうしていましたし
だからこそ昨日ブログを書いた時には

そういった点については思いつきもしませんでした。

でも、そういった事件のことを
いくら子どもに対して話していなくても
子どもが同席している場で

話してしまうことがないように気をつけてください。


良識あるアメリカ人には
そういった行動は嫌がられると思います。


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米国外に住んでいる方からしたら
米国でもいち早く
銃規制をするべきだと思われるかもしれませんが
実はこれ、言うほど簡単でもないのです。


きっと米国人が自国に誇りを持っていることは

皆さんご存知。
これは、まだ歴史の浅いこの国を
「自分たちが創り上げた」

という意識があるからなのです。
 
当時残虐な振る舞いをしていた

George IIIの政治から離脱し
Government of the people, by the people, for the peopleを

創り上げたのは、彼らの誇りなのです。
 
 
それは街中至るところに国旗がある、ということや
学校でもテーマパークでも朝一番には
国旗があげられ、Pledgeを言い、

Patriot songsを歌う習慣があることからも
よく分かると思いますが

例えば夕食時に家族で
「好きな大統領は誰?」という会話が
普通に出てくることなんかからも分かると思います。
 
(ちなみに我が家でも普通にこういう話が出ます。
私と長男のお気に入りはAbraham Lincoln。
主人と次男のお気に入りはGeorge Washingtonです。)



ですから米国独立宣言なんかは
今でも文学として愛され、親しまれています。
(私も音読セッションにて使っています)

それくらいに普段の生活に密着しているものなのです。


さて、米国には
米国独立時に作られたConstitutionという
米国政府向けに作られた法律があります。

これは政府が力を持ちすぎて国民を支配することがないよう、
国民の自由を守るために作られた法律です。

イギリスからの離脱にて、
当時の賢者達が絶対に譲れなかった部分なのでしょう。
第一代目大統領のGeorge Washingtonも
一人の人間が権力を持ちすぎるのは良くないとして
大統領は4年毎に代わるべきだという仕組みを作りましたし。
 
(そして、それこそがうちの主人が
George Washingtonが好きな大統領である理由です。)


そして、実はこのConstitutionの中に
「国民が武器を持つ自由」が認められているのです。

A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.

ですから、銃規制をするということは
米国の基盤でもある「自由に関わるルール」を変えることでもあり
こうしたConstitutionをもとに
当時の13の植民地が「米国」となることを決めたわけですから
 
ここの部分が変更されるということは
米国にとって、より大きな波紋が広がる可能性があるのです。


初期の植民地事情に詳しい
米国愛国心が強い人ほど、銃規制反対をするケースもあります。
(もちろん、単に銃が好きという人もいるとは思いますが)

逆に、米国のイギリスからの離脱時期の歴史や
U.S. Constitutionに詳しくない移民なんかは
銃反対派が多く、銃規制を求めている印象が強いです。

過去、National Rifle Associationが
こういった銃による惨事が起きてしまった時に
「被害者も武器を持てば良かった」と言うことがあったそうですが
(私はいつか知りませんが、生徒さんが教えてくれました)
「the right to bear arms」がある以上、
その見解も間違ったものではないのです。

もちろん、私も個人的には
武器は必要のない世界が良いのではないかと思いますから
そういう意見を聞くと瞬間的には「信じられない」と思います。

でも、落ち着いて考えると
相手の意見の出所も見えてくるわけです。

 

※ちなみに米国で銃規制が進まない他の理由として
National Rifle Associationが
大きな力を持っていることもありますが、
同時に「既に出回っている銃をどうするのか」とか
銃を許可しないと裏取引で銃が出回ることになり
結果、今度はギャング活動を助長してしまうのではないか、という

そういう問題もあるそうです。
地球には色んなStoryがありますね。。。



偏った情報しかなければ偏った意見になります。
偏った意見しかなければ、大声で主張がしやすくなります。
 
ですから、何かに対して
「私はこういう意見です」と堂々と言える時ほど
自分が「何か見えていないものがあるのかもしれない」と
気付くべきなのかもしれません。
 
それが異文化理解に繋がるのだと思います。

 

Happy Learning & Happy Teaching!  



◆英語上級レベル(TOEIC 900点以上)を目指すのなら
視点を変えて、こうした英語圏の事情に精通するのも重要です。
独立宣言のような文書を読み、米国の政治を知ることは

脳科学者の苫米地博士もお薦めしていますので
こちらの音読セッションで、第一歩を踏み出してみてください。