こんにちは。 英語を教えています、ミツイです。




『英語の音のシステム。』から続いています。


*弱くすることを考える
イントネーションやリズムを考えた際、
強調する音節や単語があるというお話をしましたが
逆に弱くする音節や単語もあります。
そういったものがReduced Speechと呼ばれます。

弱くするには、単語発音を短くする方法と
母音を発音する時に必要以上に口の筋肉をリラックスさせ
力を抜かせる方法があります。
(母音の音自体が変わります)
また、強調している音節や単語のおまけとして
サッと手早く発音してしまう方法も。

例えば
『そうしたいの?』という意で聞かれる場合のある
Do you want to?
という文章内での『to』の発音と
『何をしたいの?』という意で聞かれる場合のある
What do you want to do?
という文章内での『to』の発音は異なり
下の文の『to』の発音は弱くなります。

(want toをwannaで発音する場合もある、ということとは
 また別のお話です。)


*前後の音のくっつき方を考える
有名なお話ですが、米英語では特に
前後の音がくっついて発音されることが非常に多いです。

『don't you』というのが『don-chew』と聞こえる、
といった具合ですね。

例えば『She changed it.』という文章でしたら
『changed-it』ではなく『change-dit』と発音されます。
その方が発音しやすいんですね。


*子音を考える
子音を考える際、発音記号を理解する必要があるかを考慮します。

ある程度の英語力を持ちたいのであれば、
私個人の意見としては
発音記号をなんとなくでも理解できたほうが良いとは思います。
全てを理解出来なくても
手元に発音記号をチェック出来る情報源を置いておくのは
お薦めします。

また、子音というと
thだったりthの、RだったらRの発音が孤立した状態で
練習されることが多いのですが、
その音だけを発音することが出来ても
実際に会話速度で話している時に
その発音がきちんとなされていないと意味がありません。

また、私達日本人が特に気をつけたいのが
英語の子音の重なりを発音する時の母音の扱い方です。

日本語では『ん』以外の子音は
子音+母音という形を取り、例えば『k+a』となるわけですが
英語での『strength』という単語の『g (発音ではk)』の部分は
あくまでも『k』であり、『k+u』ではないのです。

日本語では『テキスト(te-ki-su-to)』であっても
英語では『te-k-s-t』なのです。
(厳密には『テ』の発音は母音が『e』ではありませんが
 発音記号をタイプするソフトが現在使用中のPCに入っていないため
 『e』で代替しております。)


*母音を考える
恐らく、私達日本人にとって
子音の発音よりも難しいのが母音の発音です。

日本語には母音が5個しかないのですが
英語には母音が16個(数え方によっては異なる場合も)もあります。

また、日本語の母音はpure vowelと呼ばれるもので
いかなる文章内でもその音が変わることはないのですが、
英語には二重母音というものがあります。

例えば『I』の『ai』という発音ですが
これは日本語的に考えると『あい』なのですが
英語的には、そこまではっきりと『い』の発音に移行せず
もっとなめらかに調音器官を動かす感じです。
英語ネイティブにとっては
聴覚的に『二重母音は一つの母音として認識される』と考えると
日本語的『あい』との違いが分かりやすいかもしれません。

英語の母音の難しさは、
その発音がスペルからは分からないという点もあります。
また、弱くされた音節内の母音は
その性質さえも変わってしまうことがあるのです。

幸い、そこまで一つ一つの母音発音に神経質にならなくとも
伝わる意味の方が大きいです。
逆に、一見英語がどんなに流暢に話せている人でも
単語レベルの発音はあまり良くない、というのもよくある話です。


*単語内ストレスを考える
英単語には、単語内でも強調する箇所というものが存在します。
長い単語になると、それがいくつも存在することがあるのですが
その中でも『ここが1番強調される』という箇所があります。

日本語では、単語内にはそれほどストレスを置かず
どちらかというと平坦な道を運転している感じですが
英語では、でこぼこ道をガタガタと運転しているかのように
動きを感じさせるものがあります。

その中でも、いくつか基本パターンがあります。
1)ストレスはRootに置かれることが極端に多く、
Prefixに置かれることは極端に少ない。

 例)beLIEVE, preDICT
2)複合名詞(2つの名詞を組み合わせて作られた名詞)では
1つ目の名詞にストレスが置かれることが多い。

 例)AIRplane, BUS stop
3)Suffixは
 A)ストレスの影響を全く受けない場合もあり、

   例)BEAUty→BEAUtiful
 B)1番強いストレスを持つ場合もあり、
   例)trusTEE, enginEER
   (フランス語出身の単語が多いです)
 C)ストレスの位置を移動させる原因となる。
   例)SEquence→seQUENtial
(PrefixやRoot、Suffixに関する説明はこちらをご覧ください)



簡単に紹介させて頂いた英語の音のシステムなのですが、
自己学習でも発音を意識した練習をしたい!という方にお薦めしている
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真剣に音読レベルをあげたいと思っている方のみの受講を
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Happy Learning & Happy Teaching!!