【言語学】歌謡曲内の言語使用から何を見る?


おはようございます。英語を教えながら
英語の先生の先生をしています、ミツイです。
 

学生時代に
「日本の人気歌謡曲で、英語がどのくらい使用されているか」
という研究をしたことがあります。
 
1970年代、1980年代、1990年代、2000年代の
最初の5年間のベスト20の歌詞全てを見ました。


結果としては
カタカナ表記でもアルファベット表記でも
英単語を使用する歌が多かったのは1990年代。

でも、
英単語が含まれている歌の中で
各歌でどのくらいの英単語を使用するかを見ると
割合的に高かったのが2000年代。

面白いことに、1980年代が2番目で
1990年代の歌よりも
「英語を使うなら複数の単語を使う」という動きが見られました。


つまり

1980年代からだんだんと
歌詞の中での英語使用率が増え始め、
英語を使う人は使う、
使わない人は使わない
との差が出て来たようです。

英語使用率ピークでもある1990年代には
特定の人が英語を使う、というよりも
たくさんの人が英語を使う
「とりあえず英語を入れとけ」的な動き
が見える。

そして2000年代
割合は増えているものの、どちらかというと1980年代の
「英語を使う人は使う、使わない人は使わない」的な
動き
が、再度、起きているようでした。


今(2010年代)はどうなんですかね?
ちょっと気になります。


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どんな言語をどんな状況で使うか。
どんな方言をどんな状況で使うか。
どんな単語をどんな状況で使うか。

全て私達が無意識に、時には意識的に計算をしていること。


上智大学文学部名誉教授の渡辺昇一先生は
「心の状態が外向的なときは歌の中に外国語が多い」
と、おっしゃっていまして
それは個人レベルの話ではなく国歌規模でもみられる傾向だと
説かれています。


国際社会と叫ばれる中で
歌詞中の英語使用率があがるのも分かります。
実際にハーフや外国育ちの歌手も増えているし。

それでも日本語にこだわる歌手がいるという事実は嬉しい。


英語を使う人がだめで
日本語と使う人が良い、という訳ではないけど

やっぱり母国語である日本語が、
その価値を認められている分野が、
こうして数字にも現れて認知されると、なんだか嬉しいですね。





Happy Learning & Happy Teaching!



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