『寺子屋』大阪松竹座 2014年7月2回目 | はじめての歌舞伎!byたむお

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月初めに幕見で見た際に(コチラ)すでに大満足でしたが、
その時と比べて、

大大満足

でございました。




仁左衛門さんの芝居がとにかく細かくて。

首実検で首桶をあけて、わが子の首を見て、
(うっ、やはり、と息がつまり)
「でかした」
(もちろん悲しみもありながらも、身代わりを勤めたことを喜ぶ気持ちから)
と思わず口にして、
(瞬時に置かれている状況を思い出して、春藤玄蕃を警戒して、咄嗟の機転で)
「源蔵。」
と続けて
(「でかしたぞ、わが子」ではなく、「でかした、源蔵」と捕れるようにして)
「よく討った。」
(と言い放ち、余計な詮議をされぬよう、またわが子の顔を見るのもつらいので)
首桶をかぶせる。


台本には、
松王丸「でかした源蔵。よく討った」
と書いてあるだけの5秒くらいの場面だと思いますが、
とにかく仁左衛門さんの芝居は細かい、こんな感じで緻密。
心の動きが伝わってきます。


それだけではありません。
以前より進化したのか、
幕見席からいい席に移って細部まで見ることができたからなのか。

「仁左衛門さんだけぶっちぎりですげえ芝居してるぜ」
ではなく、
千代も源蔵も戸浪も玄蕃も調和がとれてきたような。

子役の菅秀才も気品のあるたたずまい、好演でした。



(参考)
・寺子屋(てらこや) 感想(以前のもの)
  寺子屋の前に(『菅原伝授手習鑑』一段目から三段目)
  『寺子屋』(「寺入りの場」紹介)
  『寺子屋』(初めて観たときバージョン)
  『寺子屋』(歌舞伎座こけら落とし 観劇レポート)
  『寺子屋』the Final(『菅原伝授手習鑑』五段目)