そろそろ枝切りの季節ですね。
切った枝が勿体ないから接ぎ木する方も多いと思うので、色々な接ぎ木方法の実例を紹介します

1.斜め接ぎ(腹接ぎと呼ぶ場合もあります)
通常はこの方法で接ぎ木しています  
ハイビスカス展を覗かれた方は、実演しているのを見た事があると思います
イメージ 1台木を斜めに切り込んで穂木を差し込む方法です
仕上がりはこんな感じになります

メリット:みんなが行っているので他の方が接ぎ木したものを

      参考に出来る
デメリット:台木の切り込み角度なんかに慣れが必要かな

2.腹接ぎ
大きな台木の途中に枝を接ぐ時に用います
イメージ 2穂木に比べて台木が太いから、切り込みは形成層に届く程度に

浅く切り込みます

メリット:大きな台木に多品種接ぎする時に便利かな
デメリット:特に無いです


3.剥ぎ接ぎ
台木に比べて穂木が細い場合に用います
イメージ 3接ぎ木例

台木に、こんな感じに穂木の幅で縦に切れ込みを入れてから、その箇所の樹皮を剥がして、そこに穂木を差し込みます。
剥がした面の内側全てが形成層なので穂木はただ根本まで

差し込めばOK

 

 

イメージ 4


メリット:細い穂木を接ぐ事が出来るのと、成功率は高いです
デメリット:成長期でないと台木の皮が剥げないので作業する
時期が限られます。可能なのは5月~10月位まででしょう
(温室がある人は冬もOK)


4.切り接ぎ
普通、接ぎ木と言えばこれをさします。
果樹を接ぐ時などに使われています。イメージ 5
メリット:成功率は高いです。
台木と穂木の太さに差が合っても台木を切り込む位置を変えて
調整できるから太さのマッチングを気にしないでよい
デメリット:写真の様に接ぎ木した場所が目立っちゃいます

5.合わせ接ぎ
  穂木と台木を同じ角度で斜めに切って合わせる接ぎ方です

イメージ 6メリット:接いだ箇所が真っ直ぐなので見た目が良い
デメリット:テープを巻く時にずれやすい
接いだ箇所が見た目に弱くて折れやすいのかもしれません
(折れた事はないですが)
台木と穂木の太さが同じ位でないといけない

6.Ω接ぎ
接ぎ木専用のハサミで台木と穂木を切断してつなぎ合わせる方法です 

 

 

 

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メリット:ナイフを使用しないので危険が少ないのと常に同じ形状に切断できる
デメリット:接いだ箇所が見た目に弱くて折れやすいのかもしれません(折れた事はないですが)
専用ハサミを海外から購入しないといけないから初期費用がかかります
最近は国内でも普通に買えるみたいです


7.割り接ぎ
台木の中心に縦に切り込みを入れて穂木を差し込む方法です

 

 

イメージ 8

メリット:台木の切り込みが斜め接ぎより簡単
デメリット:特にありません

8.緑枝接ぎ
初夏にその年に伸びた新枝のやや緑色が薄れて固まり始めた部分を使って
接ぎ木する方法です

 

 

イメージ 9

矢印の位置くらいの色になった枝の箇所を台木に割り接ぎします
台木も同じように新しい枝の固まりかけた箇所を使用します
注意点は穂木は枝の先端を切り落とさない事と先端の幼葉を
着けたままにします。
接ぎ木後はビニール袋で密封して2週間程度したらすこしずつ
穴をあけて外気に馴らしていきます。

メリット:もの凄く成功率が高い(6月であればほぼ活着します)
接ぎ木後の成長が早くて2週間もすれば穂木が普通の枝の速度で成長を再開するので、秋には開花します。
デメリット:貴重な新枝を切る必要がある=花が咲かない
台木の高い位置に接ぐ事になるから見た目が悪いかな
対策として台木を低い位置で切り戻しておいて地際から新枝を
出させておく事かな




以上の様に、接ぎ木と言ってもいろいろな方法があるので、気が向いたら試して見て下さい。
ご自分に合った接ぎ木方法が見つかるかもしれませんよ。

来シーズンはどんな接ぎ木方法を試そうかな(笑)