結局、床屋を出た後も、俺とセイジ君はずっと一緒にいて、互いの坊主頭に見とれ合っていた...。
そして、人のいないところで互いの青いクリクリの坊主頭にそっとキスをして、その日は別れた...。

そして、家に帰ると母親はちょっとショックだったっぽいが、父親は嬉しそうで(またいつか書くが、学生時代の親父も、坊主頭が凛々しい昭和の美少年だったので、自分とかぶって見えたのかもしれない)、でも俺を思いやってかあまり頭の話題には触れずに迎えてくれた。

2日後の中学の入学式の日、登校するとそれまでみんな坊ちゃん刈りだった男子児童が、一斉にみな坊主頭になっているのが壮観だった。
最初はみな恥ずかしくて制帽をかぶったままだったのだが、セイジ君は帽子をかぶると大きな耳が帽子で押し下げられているのが、何とも言えず可愛かった。

そして、式が始まり一斉にみんな帽子を脱ぐと、大量の坊主頭があらわになり、この時自分は、それを見た瞬間にタクヤ君の時と同じく、股間が急に熱くなった(書かなかったけれど、セイジ君の時は彼が髪を刈られだした時から終始股間が熱くなりっぱなしで、夢精もしていた。後日判明したのだが、セイジ君も俺の坊主頭で同じくイッていたのだった...)。

特に、セイジ君以外のイケメン君の同級生の坊主頭をまず見てみたかったのだが、第一印象は以下のような感じだった。

・タカユキ君: 幼稚園時代からの知り合いで、当時から岡田准一似の目鼻立ちがくっきりした美少年だった彼は、坊主にしてもやはり美少年だった。頭の形も良くて丸く綺麗な形の坊主頭で、そんなに大きくは思えなかった耳も丸坊主だと丸出しになり、大きく肉厚の耳に見えた。

・ノリユキ君: パーマ気味の髪も含め、シブがき隊時代のモックンに髪型も顔立ちもよく似ていた彼も、頭を丸めるとやや後頭部が高く立ち上がり、絶壁気味の頭だった。でもその頭もまた愛おしく、セイジ君と同じく青々とした頭と褐色の肌の対比がまた美しかった。

・ケンゴ君: 自分と同じく、ここ数ヶ月は長髪だったから、丸坊主にすると落差が激しかったが、お公家さんらしい色白で上品な、後のハンカチ王子こと斎藤佑樹投手似の彼の顔立ちと、青いクリクリの坊主頭はよく似合っていた。自分のような大きな耳ではないが、形の綺麗な彼の耳も坊主になると丸出しになり、耳が飛び出して見えたが、それもまたやはり美しかった。

・タカシ君: 元スマップ森クン似の彼は多分、一番標準的な(というかクセがない)顔立ちで、俺やケンゴ君と同じように長髪からいきなりの坊主になったが、彼はタクヤ君と一緒で、坊ちゃん刈りの時は綺麗な丸い頭で、しかも小顔だったのが、丸坊主にすると意外にジャガイモ頭だった。ケンゴ君と同じように、大きくはないが綺麗な形の耳が丸出しになったが、立ち耳ではないので意外にそれほど大きくは見えず、そこは一番トクをしていたように思える。

・ヨシヒロ君: やや時代劇俳優的な昭和の二枚目風の彼は、丸坊主にするとこれが非常に似合っていた。顔立ちは昭和風でも小顔でスタイルも良かったので、クリクリの青く、しかし小さな綺麗な卵形の頭と、くっきりした目鼻立ちが非常に良くマッチしていた。

・タロウ君: 彼も耳が大きく、最後の数ヶ月以外は坊ちゃん刈りでもすそはバリカンで刈り上げ、サラサラの髪を真ん中で分けていたのだが、自分と同じく丸坊主にすると大きな耳が丸出しになり、横にぴょこんと飛び出して見えた。多分、自分と一番顔立ち自体も似ているのが彼なのだが、丸坊主の彼は頭の形も綺麗な卵形だった。ただ、全体に大柄なのでそう目立ちはしないが、顔も頭も小顔ではなく大きめなのだが、顔立ちはハンサムなので、大きな頭もむしろ青々とした坊主頭をより堪能出来て見応えがあった。

これに、テツヤこと自分と、セイジ君、タクヤ君を加えたメンバーの坊主頭は、実は未だにオカズのネタにさせてもらっているほどで、美少年も容赦なく12の春を丸坊主にされて迎えた当時の神戸市の校則に、今となっては感謝している...。